@kyanny's blog

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シニアエンジニアになりました

今年から始まったペパボの新しい人事評価制度で、技術者 (エンジニア) にはシニアエンジニア・アドバンスドシニアエンジニアといういわゆるスペシャリスト枠ができたのですが、最初の評価プロセスが終了したこの四月から、シニアエンジニアとして働いています。

ペパボの技術者向け評価制度については Paperboy's engineer evaluation system - Gosuke Miyashitapaperboy is hiring - Gosuke Miyashita に詳しいので、ご存じない方はぜひご覧ください。

スペシャリスト枠については、毎年恒例の社内プレゼン大会 P-1 グランプリでのアイデア発表があったあと、個別にヒアリングをしていただき、他社も含めてエンジニア職の待遇がどのようになっているかを踏まえて、どういう制度・運用が望ましいか意見を述べたこともありました。自分が評価されたことももちろん嬉しいのですが、それ以上に会社にとって大きな一歩だったと思います。

ペパボは 2011 年度から新卒採用を初めています。 2012 年度の新卒社員にはエンジニア職として採用されたひとが数名います。彼らが今後エンジニアとして実力を伸ばしキャリアを積んでいくときに、基準が明確で具体的な目標となる何かがあったほうが良いと思っていました。この制度が彼らにとってのマイルストーンとなればいいな、と思います。

評価基準については Paperboy's engineer evaluation system - Gosuke Miyashita に詳しいですが、自分への評価コメントにおいては、社内外におけるアウトプットの量を高く評価していただきました。 YAPC Asia 2010 および YAPC Asia 2011地域 Ruby の会における発表と、社外の勉強会に参加した際にメモや感想をレポートとして社内 SNS で共有していたことがプラスにはたらいたのかなと思っています (過去のプレゼンで使用したスライドは slidesharespeakerdeck で公開しています)

一方で、総評で指摘された OSS への貢献が物足りないという点以外にも、アウトプットの質を高める努力や、より専門的な技術を磨くことについてコメントをもらいました。いずれも不十分なところだと自覚があるので、シニアエンジニアの名に恥じないように、今後も努力していきます。

シニア・アドバンスドシニアの制度については、人事部長自らが「ここからがスタート」と言っているように、継続して改善されていくと思います。実際にその評価プロセスを体験した身として、形ばかりのものではなく、ちゃんと運用されて血肉の通ったものになっていると実感しています。

そんなペパボは技術者を募集しています。我こそはという方、ご応募お待ちしています。

The Art of Readable Code の翻訳レビューに参加しました

The Art of Readable Code の日本語訳がこの夏に発売されます。翻訳は「メタプログラミングRuby」や「ウェブオペレーション」でおなじみの 角 征典 (@kdmsnr) さんです。

自分のブログに The Art of Readable Code の感想を書いていたことがきっかけで、翻訳レビューに参加させて頂く機会を得ました。ささやかながらも技術書がつくられるプロセスに関わることができて、とても光栄です。夢がひとつ叶いました。ありがとうございました。

「メタプログラミングRuby」には非常に感銘を受け、また実務においてもずいぶん助けられました。 Perl コミュニティで Moose/Mouse などがブームになったとき、メタプログラミングという概念についていけなかった苦い思い出があるのですが、「メタプログラミングRuby」を読んだおかげで数年来の苦手意識を払拭することができました。また、「ウェブオペレーション」もですが、わかるひとにはわかる、ニヤリとさせられる絶妙なセンテンスが散りばめられていて、読み物としても楽しい本でした。

その「メタプログラミングRuby」を手がけた角さんによる本書の翻訳を読んで、これでようやく The Art of Readable Code を同僚や友人に強く薦められるようになったと思いました。この本は「良いコードとは読んで理解するまでに要する時間が短いコードである」というテーマにそって、変数の命名方法やロジックの分割方法などのテクニックを具体的なサンプルコードとともに解説しています。実務で毎日コードを書くとき、すぐに取り組める小さな改善のアイデアの宝庫とも呼べる本で、初級者から上級者まで幅広い層におすすめできる内容です。詳しくは以前書いた感想をどうぞ。

プログラミングに上達したいひとにおすすめの一冊です。