@kyanny's blog

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多国籍企業とさまざまな英語

多国籍企業(おおげさ)で働いていると、コミュニケーションにおける英語からは逃れられない。しかし、英語といってもさまざまなバリエーションがあるということが最近(実体験として)わかってきた。

思うに、話者がどのように英会話の能力を獲得したかによっていくつかのパターンに分類できる。自分の体験に基づくと、

  1. 英語を母国語とする国のネイティブ(アメリカ人とかイギリス人とか)
  2. 英語以外を母国語とするヨーロッパの国のネイティブ(イタリア人とかスペイン人とか)
  3. 英語を公用語とするアジアの国のネイティブ(フィリピン人とか)
  4. 日本人(帰国子女や長期の留学経験者)
  5. 成人後に努力して英語を身につけた日本人

くらいのバリエーションがあり、それぞれが独特の特徴をもった英語を喋る。この中で、帰国子女でもなく努力して英語を身につけてもいないおれの耳にもっとも聴き取りやすいのは、5の「努力した日本人」の英語だ。

英語ネイティブはアメリカ英語とイギリス英語の発音の違いは大きいものの、上記のなかではどちらにせよ一番聴き取るのが難しい。ヨーロッパ系の人はそれより若干聴き取りやすい。フィリピンの人もヨーロッパと同じか、それよりさらに聴き取りやすい。が、なんか独特の甘ったるい感じがする(個人差かもしれない)。

帰国子女や留学経験者など、若い頃に英語圏で生活していた人の英語は、流暢だが不思議と聴き取りやすい。イギリス人の英語と比べると、語彙に差があるような気がする。イギリス人の語彙は難しいのだ(難しくて知らない単語を使うというのはまれで、むしろ give とか get とか have とかの基本的だがいろんな意味がある単語だけで華麗に英文を組み立てるので、知ってる単語だらけなのにさっぱり意味がわからん、ということがままある)

努力して身につけた日本人の英語が聴き取りやすいのは、自分と英語力の差がもっとも小さい(とはいえ大きな隔たりがある)のと、学習を経て身につけた == いままさに学習中の身としては「通ってきた道」を追体験しているようなものなので、なんとなく語彙とか文の組み立てとか喋るタイミングとかイントネーションとかもろもろの癖が似ている、という要素があるのかな、と思う。

あと、帰国子女とそうでない日本人の英語を比べると、前者のほうが気負いが少ない気がする。後者はいわゆる「英語のできる日本人」でイメージするような感じで、大げさに喋る傾向がある。そのぶん、英語力の低い身にもわかりやすいんだと思う。

今年は Quipper School というサービスのアジア展開に力を入れていて、フィリピンの開発者と Skype したりすることも増えてきた。幸か不幸か、いままでインド人や中国人の英語を聞く機会がなかったんだけど、順調にサービスが拡大していったらそういうチャンスも巡ってきそうなので、楽しみにしつつ、いざというときにちゃんと会話できるように備えておきたい。