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@kyanny's blog

Write down what I learnt. Opinions are my own.

新はてブ

ベータテストの招待をもらったので少し使ってみたので、妄想まじりの感想を。

UI はパッと見で Facebook みたいだな、と思った。要素の配置も似ているし、ニュースフィードというかタイムラインというか、そういうものを意識しているのかなと。 Facebook はサイトとしてはあんまり好きじゃないけど、はてブのは不思議と悪い印象はなかった。

サインアップのプロセスを丁寧に作ってあるなと思った。 Facebook 連携をしたらちゃんと元のページに戻るとか、当たり前なんだけど、仕事柄その当たり前をちゃんとやるのが簡単なわけではないことも知っているので。あとインタレストワードが良い。 Quora とか Quiita でもサインアップ時に興味のあるものを選ばせるステップがあるけど、そういうのをちゃんとおさえているあたりも、滞在時間を奪い合うという広い意味での競合をしっかり研究してきていると感じた。

マイホットエントリーについて、 TwitterFacebookソーシャルグラフを利用するという決断は素晴らしいと思う。2011年にもなっていまから中規模程度のローカルなサービスが独自のソーシャルグラフを作る意味は無い。オフラインの人間関係に根ざした濃い繋がりは Facebook が、オンラインの人格を取り巻く薄い繋がりは Twitter が、それぞれもうおさえているのだから、それに対抗するのは勝ち目のない戦だ。時間とお金と人が余ってて他にやることがないのでもない限り手を出すべきじゃない。

そもそもはてブは、そしてはてな全体も、ソーシャルグラフを育てたいのだろうか?そうは思えない。ソーシャルグラフはそれ単体ではお金にならない。繋がりがあるから滞在時間が増え、それによって広告主にとって魅力的な媒体になり、儲かる、というロジックだろう(クリック率しかり、パブ記事のような PV/UU が指標になるものしかり)すでに利用者にとって便利なソーシャルグラフが他にあるのだから、それに乗っかったほうが理にかなっている。いちユーザーとしてもそのほうが楽だ。

はてブが持っている一番重要なデータはブックマークしたURLとそれにひもづいた独自のメタ情報だ(タグ、コメント、いつ誰が、など)その強みを活かし、さらに強まるように仕向けるためにマイホットエントリーに出るものを推薦するアルゴリズムを磨く、というのは開発リソースの割き方として正しいと思う。それがどのくらいうまくいくのかはわからないけど、特殊な用途の Twitter を作るよりは芽が出そうな気はする。

希少性のあるものが埋もれてしまうとか、キュレーション的な推薦の精度を高めないと、というのは一理あるんだけど、身も蓋もないことを言うとそれではあんまり儲からないんじゃないかなと思う。利用者が増えれば衆愚化するのはホットエントリーを見れば一目瞭然で、そういう要素がなければ滞在時間も PV/UU も増えずメディアとしての価値は高まらない。そうじゃないんだ、おれはレアな情報を得るために使っていてそのためなら年間99ドル払う気がある、というひともなかにはいるだろう。けどそういう少数派のひとを相手にしてたらウェブのサービスは採算がとれない(そのモデルで成功するならはてなブックマークプラスを年間9800円にして無料ユーザーの利用に強い制限をかけているはず)

どんな素晴らしいサービスでも、赤字続きでは存続できない。続ければ続けるほど損をしても構わないといえるのは個人が趣味でやっている間だけだ。会社はそうはいかない。残念だけどそういうものだ。だからまずちゃんと採算がとれるようにする、そのためにはてブをただの URL メモ置き場ではなくて Facebook のように毎日見に来てある程度長い時間滞在する場所にしよう、という意思が感じられて、まっとうなことをやっていても全然儲からないこの特殊な業界にいるものとして、まっとうに成功してやるんだというその決意までひっくるめて感じ入るものがあった。

「まっとうなこと」について補足。別にどこの会社の商売をけなすわけではないけど、アーリーアダプターに気に入られて流行ったサービスが商売っけを出すとボロクソに叩かれる、みたいな事例はたくさんあると思う。「シンプルではやくて無料で広告がない」ようなものを少なくないひとたちが絶賛したりするけど、人気ばかりでて誰も金を払わないのですぐに使い物にならないくらい重くなってみんな手のひらを返して文句ばかり言い出す。いっぽうで、出会い系だったり他の何かだったり直接利用者からお金をとるモデルで儲かっているところは人間の心の隙間を刺激して冷静さを失わせて金をつぎ込ませるような商売をしている側面が多かれ少なかれあると思う。 37signals みたいなやり方もあるにはあるけど誰もが真似して成功できるわけじゃない。だからウェブサービスが正攻法で採算をとろうとしたら広告だし、広告媒体として価値を高める努力をするのは王道だよなと思う。

個人的に、はてなスターが大好きなので、パーソナライズされた推薦アルゴリズムの精度向上の指標にも取り入れて欲しいなと思う。難しそうだけど。「sugyan が node.js というタグをつけてブックマークしたアクティビティに対してスターをつけたから、情報ソースとして sugyan に +1 node.js タグに +1 sugyan+node.js に +3 する」みたいな。これが実現されると、わざわざ自分にとってのキュレーターを探す手間が省ける。誰かのアクティビティに対して単にポジティブな評価をしていくだけでいい感じに最適化されていく。まぁそんなの誰でも思いつくことだろうしすでに視野に入れているのかもしれないけど。