@kyanny's blog

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スタートアップで学んだもっとも大切なこと

スタートアップ企業に転職してもうすぐ2年が経つ。この2年間で学んだことのうち最も大切なことは、「事業」ってやつを間近で見て、それがなんなのか自分なりに理解したことだと思う。

 
社会に出てからこれまで、レンタルビデオ屋のアルバイト→中小(零細)企業の社員→上場廃止になったベンチャー企業の社員→上場している元ベンチャー企業の社員→スタートアップの社員、というキャリアを歩んできた。
 
最初に勤めた会社は家族経営で、社員やアルバイトもだいたい知り合いベースだったので、「事業」って感じはしなかった。
 
次の会社は経営がゴタゴタしていたこともあり、現場の末端にいる自分には日々の仕事が「事業」なのだという実感は無かった。
 
その次の会社は経営がしっかりしていて、そこで初めて「予算」とか「売上目標」とかが自分の耳にも届いてくるようになった。しかし「事業」とはなにか、という基本的な理解が欠如していたために、単に上からうるさいことを言われている、くらいにしか感じられなかった。
 
そして今の会社だ。経営者と現場の距離が近く(ありきたりな表現だけど事実だ)我々の「事業」とは何であるか、事業運営者の口から直に、ひと月に一回か二回は、全社員に向けて語られる。そしてようやくこのバカな俺にも「事業」というやつがなんなのかわかってきた。
 
経営の三要素はヒト、モノ、カネである、とか言われる。昔は「ふわふわしてて意味わかんねー」と思ったけど、いまはいくぶん意味がわかる、気がする。
 
事業とは、目的をもって製品を作って売ったりサービスを提供したりする活動のことで、事業をやるためには働く人が必要だし、給料とか材料費とかもろもろお金がかかるし、同じ目的で似たような活動をしているライバルとの競争に勝たなきゃいけないからスピードも求められる。
 
でも人は無限に雇えないし、お金も無限に使えないし、時間は止まってくれないので、いつ・どこで・だれが・なにをするか、優先順位をつけないといけない。それを決めて実行するのが「経営」というやつで、経営者の仕事とはそういう決定と実行をしながら「事業」の目的達成を目指すこと、なんだと思う。