@kyanny's blog

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英語のリスニング能力にブレイクスルーが起こった気がする。いつのまにか起こっていたことにすこし前に気づき、徐々に確信に変わっていった。

TED や YouTube の動画が、明らかに以前より聞き取れるようになった。特に、英語学習者向けの動画(ただし外国人が英語で喋るもの)は、それなりに集中して聞けば 90% 以上単語やフレーズレベルで聞き取れ、、内容はほぼ 100% 理解できる。途中で止めて聞き直したり、辞書を引いたりすることなく。たとえば以下の動画など。最初から最後まで、完全に何言ってるかわかり、脱落せず聞き通せた。

これはゲームチェンジャーだ。以前は全編英語の動画やポッドキャストは聞き取れない割合が多すぎて内容についていけなかった。リスニング能力に対してレベルが高すぎた。したがってもっとレベルの低いリスニング学習用の音声を聞くしかなかった。選択肢は少なくなるし、内容に関心が持てるものとなるとさらに少ない。架空のシチュエーションの日常会話の音声など退屈ですぐ聞き飽きてしまう。

しかし「ある程度ゆっくりはっきりまっとうな英語で喋っている音声なら聞き取れて内容を理解できる」となると、英語学習者向けの教材という枠を超えてはるかに多くの動画音声コンテンツが対象になる。もはや選ぶ基準を「自分のリスニング能力で聞き取れるか?」ではなく「言語に関わらず興味を持てる内容か?」に変えることができる。当然、自分のリスニング能力を超えたレベルの音源もたくさんあるが、なにしろ選択肢が桁違いに多いので問題ない。YouTube を知りたい内容のキーワードで検索して出てきた動画を片っ端から見て、聞き取れて内容にも飽きないものを聞けばいい。知りたい内容について知れるし、ただ聞いてるだけでリスニングの練習にもなる。

おすすめの英語学習法、とかで腐るほど本やらブログやらで言及されてきたことで、この方法自体には何ら新鮮味はない。が、自分の体験として「こういうことか」とわかったこと、その境地に到達したことがゲームのルールを変えるのだ、とわかった。

そして、安易に TED 聞くのがおすすめですとかアドバイスした気になっている連中を罵ってやりたい。それができるレベルに到達するまでが大変なんだっつーの!おれはオンライン英会話をほぼ毎日続けて一年経ってやっとこのレベルに到達した。そのレベルに達するまえにレベル以上の練習をこなそうとしてもうまくいかず自信とやる気を喪失するだけだ。アドバイスどころか、かえって害悪だ。ちゃんとレベルに応じた練習方法という考え方、そして TED だの YouTube だのはだいぶレベルアップしてはじめて取り組める練習なんだ、ということを正しく伝えず自己満足に浸っている奴らの何と多いことか。そういう奴らの優越感ゲームのために意気をくじかれた人がどれほど多いか。罪な話だ。

結論: 英語学習初心者がリスニングの勉強のために TED を聞いてはいけない。語彙も内容もレベルが高すぎて挫折必至、自信を打ち砕かれるだけ。あれはすでに外国人と英会話でコミュニケーションできるレベルの人が一層のリスニング能力向上トレーニングのために聞くものだ。海外ドラマとか YouTube 動画なども同様。