@kyanny's blog

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ジーパンをはく中年は幸せになれない

書名が気に触るので「なんで?」だけ明らかにしておきたくてサンプルだけ読んだ。書名の話は導入部の「つかみ」だというレビューを見ていたので。

大方、「年相応の服装をしない人は考え方や立ち居振る舞いも年相応になってなくて、まだまだ若いという気持ちと現実にはもう若くないことのギャップに悩み苦しむはめになり、結果幸せになれない」みたいな話がしたいんだろ?と予想してたらだいたいあってた。バカバカしい。2009 年の本だが、それでもずいぶん時代遅れだったと思う。

「自分の年齢になじめない=大人になりきれてない」というが、果たして著者は加齢に応じて「年齢になじめ」ていたのか。実年齢になじめてる人なんているのか(特に、「中年」に差し掛かった30代、40代くらいの人々)。

おれは35だったか40手前だったかの頃、10歳くらい年上の従兄弟と数年ぶりに会い「自分がもうすぐ40になるなんて想像できない、今の年齢だってまだ実感がない」と言ったら従兄弟は「みんなそうだよ」と言っていた。当時のおれからみれば、子供もそれなりに大きくなってきて立派な「おじさん」に見えた中年男性が、だ。

でも歳をとるってそういうことじゃないのか。常に「若い頃に思ってた◯歳の大人と、今実際に◯歳な自分」のギャップに戸惑い、悩みながらも適応していく、その過程こそが精神的成長なんじゃないか。それはジーパンを履くかどうかとは関係ない。そんな表層的なもので、人の精神的成長、人間的成長の有無や程度が測れるものか。

著者の立場ではおれも従兄弟も「幸せになれない」未熟な中年ということになるのだろうけど、一ミリも同意できない。時代の流れについていけず自分の価値観をアップデートできない中年のほうが幸せになれないと思う。

金を払って続きを読む価値なし。釣りタイトルも腹立たしい。星一つ。