エーアイが賢くなりすぎて若者の育成・成長機会が奪われるのでは、という話をたまに見かける。
これ最近社内のシニア層同士でも似たような話をしてた。「AIに指示を出せる設計力が既にある我々はそこまで危機感はなくて、順当に適応していけばいい。むしろ我々が先達として頭を抱えないといけないのは、こんな環境下で後進にどんな成長機会を与えるかではないか」みたいな。 https://t.co/G90EtCXbeJ
— なかざん (@Nkzn) 2025年3月13日
元上司が「人を増やしすぎないほうがいい」とよく言っていたことを思い出す。もちろん人月の神話的な話もあるが、それ以前に「この程度の規模のソフトウェア・事業だったら10人もいれば十分なはず」みたいな話が印象的だった。
具体的な数字が適切だったかどうかはともかく、ソフトウェア開発というのは極めてレバレッジが効きやすい性質の仕事なのだから、人海戦術とは真逆の少数精鋭戦術が活きるはずだし、そういうアプローチでこそ成功できるべきだ、という思想性すらも、おれはそこに見出していた。そのくらい説得力を感じた。
その上司との会話からさらに10年近く遡って、昔勤めていた会社の先輩も似たようなことを言っていたのを思い出す。「ソフトウェアエンジニアの世界は一騎当千が通用する」みたいに表現していて、これも強く印象に残っている。言わんとするところは同じで、どちらの人も1人でなんでもできるまさに一騎当千の強者だった*1。
ソフトウェアエンジニア一騎当千の時代が再びやってくるのだとしたら、それはそれで楽しみだ。おれは切り捨てられる雑兵にすぎないけれども。
*1:1人はlivedoor Blogをほぼ1人で作りあげ、もう1人はQuipperをほぼ1人で作り上げた