イベント等で社外の方と会うと、セールストーク気味に「Quipper の魅力」を語ってしまうことがある。そういうときはたいてい、
- 世界各国でサービスを提供しているグローバル企業であること
- モダンな開発環境・開発プロセスを採用していること
- 「教育」という社会的に意義がある事業をやっていること
みたいなことを言うのだが、内心「グローバルでモダンな開発で社会的意義のある事業をやってる会社は他にもあるよなぁ」と思わなくもなかった。平凡ではないが、圧倒的でもない。他との差別化には、これだけでは不十分だ。
だが、いまの Quipper には他を凌駕する魅力がある。「世界一への挑戦権」がそれだ。
TechCrunch の記事にも書いてあるように、 EdTech シーンはビッグプレイヤーが世界中で陣取り合戦をする段階に入っている。特定の分野や地域に特化したサービスは今後も出てくるだろうが、オンライン教育サービスとして世界を制するのは既存のビッグプレイヤーの誰か(もしくは Apple/Google/Microsft などの巨人が彼らを傘下におさめる)になる可能性が高い。いまから始めて彼らと渡り合おうとするのではもう、遅すぎるのだ。
Quipper は「彼ら」の一角を占めている、というのは言い過ぎかもしれないが、彼らがそう遠くない将来に世界一の座を賭けて戦うことになるだろう最終決戦の場に、いち参加者として列席できるくらいのポジションにはつけていると思う。あの Khan Academy に正面から挑む、それも記念受験的なやつじゃなく本気の勝負をしかける日がいずれやってくる、ということだ。あらゆる分野でまたたく間に勝敗が決まる Web の世界で、こんなにおもしろい挑戦ができるチャンスはそうそう残っていない。
資金も人材も潤沢でブランドも確立しているビッグプレイヤーたちに体力面ではどうしてもかなわない、というのがスタートアップである Quipper の弱点だったが、今回のリクルートによる買収によって「ヒト・カネ・モノ」でも彼らに引けをとらない体制が整った。「世界一の教育プラットフォームになる」という CEO 渡辺の悲願が、ビジョナリーの野望ではなく実現可能な目標になった。
あとは、やるだけ。世界一に挑戦したい人、待ってます。
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