@kyanny's blog

My thoughts, my life. Views/opinions are my own.

★★★★☆

フロントライン

日本で初めて Covid-19 の感染が確認された豪華客船、そこに乗り込んで治療にあたった医療従事者たちを描いた話。奥さんが好きな、実話ベースもの。先月末か今月頭ごろにみた。 題材が良いし、役者も良かった。小栗旬のくたびれた管理職加減も良かったし、松…

帰ってきたヒトラー

2025 年の参院選、選挙戦中から参政党の勢いがすごいと報じられた。「日本人ファースト」をキャッチコピーに掲げる政治主張は海外メディアから極右と評されるほどの極端な保守で、国粋主義を通り越して排外主義的にも感じられる姿勢がナチスドイツのようで恐…

出版禁止 女優真里亞

「◯◯禁止」シリーズの長江俊和の新作。 面白かった、が、「死刑囚の詩」ほど謎が深くはなかったかな、という印象。最後のアレ以外の、本筋の部分については、読みながら七割くらいはなんとなくこうかな、と予想がついた。ホラーさはこちらのほうがやや上かな…

ブレイクショットの軌跡

「同志少女」の逢坂冬馬の新作。三作目にあたる。面白かった。一気に読んだ。 二作目の「歌われなかった海賊へ」は、ジュブナイルっぽさが強すぎて途中で読む手が止まってしまった。そういう方向の作家性ということなのかなあ、と不安混じりで手に取った「ブ…

一次元の挿し木

「このミス」の文庫グランプリをとった小説。SNS で見かけて少し気になっていた。本屋で「このミス」大賞作品が平置きで売ってたのをみて、しかしそちらはあまり好みでなさそうな印象だったのでこちらを買った。 学がないので読み進めるまで書名の意味がわか…

オットーという男

妻に先立たれた偏屈な老人が後を追おうとするも、向かいに越してきたメキシコ人一家を中心とするご近所さんたちが人生に介入してきたり逆に介入したりするうちに生きる意味を見出していくヒューマンドラマ。 亡き妻の後を追って死のうとする男を描いているの…

マルホランド・ドライブ

傑作と名高いデヴィッド・リンチの代表作。初めて観た。 二時間半と長いが、その不思議な雰囲気に引き込まれて飽きずに最後まで観た。序盤の不穏な雰囲気(主にカメラワークと BGM による)は「ツインピークス」と非常に似ている印象を受けた(数話しか観て…

ロストケア

狂った正義感に基づいて介護老人を大量殺人した介護士を描いた話。相模原障害者施設殺傷事件を彷彿とさせるが、原作小説「ロスト・ケア」はこの事件より前に発表されたので無関係。 松山ケンイチは「正しく狂った狂信者」斯波をとてもうまく演じていた。楽な…

ぼくとパパ、約束の週末

ユナイテッド・シネマ金沢にて。奥さんが好きな実話系作品。 自閉症の男の子が父親と共にドイツのサッカーチームをすべて現地で観て推しを決める、という話。メインテーマは親子の絆。有名チームの本拠地で満員のスタジアムが映るシーンなどは実際の試合の映…

伝えるための3つの習慣

shelff 五ヶ月目の一冊。九月に続き、十月も三冊中一冊しか読めなかった。 本文も平易かつ単刀直入でわかりやすいが、帯と「そで」はさらにわかりやすい。 まず「伝えたい」というパッションがあるのが大前提で、そのうえで ロジカルに話す ナラティブにスト…

禁忌の子

第三十四回鮎川哲也賞受賞作。SNS で今秋発売の報を見たときは予約受付が始まっていなかったので、思い出せるように Google アラートまでセットした。そのくらい絶賛の宣伝文句だった。 たしかに面白かった。300 ページと短いが、話に終始スピード感があって…

成瀬は天下を取りにいく

本屋大賞をはじめ幾多の賞を受賞した話題作。本屋でよく見かけて、気になっていた。 前々回、金沢ビーンズに行ったとき「本屋に行ったら一冊買う」ルールを守れなかったので、前回行ったとき二冊買うつもりで、二冊目にちょうどよかったので買った。 青春小…

ノッティングヒルの恋人

ビズメイツトレーナーにおすすめされた作品。ジャンルはコメディ/ラブロマンス。 ヒュー・グラントの優男っぷりがだいぶかっこよかった。ラブロマンス映画なんて、と期待せず半ば義務感から観たが、意外にも楽しめて、飽きずに最後まで観た。 肝心のイギリス…

ラストマイル

「アンナチュラル」「MIU404」のスタッフが作った映画。ドラマ二作品と同じ世界線での出来事を描く「シェアード・ユニバース・ムービー」だそうで。この二つだけでなく、塚原あゆ子・新井順子作品は感性に合って好みなので、映画も当然観た。 野木亜紀子脚本…

ぼくにはなにもない

Amazon Kindle の Prime Reading に入ってて見かけたので読んでみた本。大人、特に孤独な中年男性向けの絵本。と書くといかがわしい感じがするが、表紙の絵柄からわかるようにいかがわしい内容ではなく、さびしさをやさしく励ます内容。 おれは愛する家族も…

本当に君は総理大臣になれないのか

立憲民主党所属の衆議院議員、小川淳也の政策に対するインタビューと生い立ちについて書いた本。 小川淳也は映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」で注目を集めた若手議員で、観てはいないもののタイトルは見かけたことがあって意識の片隅にはあったが、人…

MEMORY メモリー

殺し屋リーアム・ニーソンが人身売買組織の黒幕を成敗していく話。最近のリーアム・ニーソンは老いぼれてアクションに迫力がなくなってきたのをあえて見せるような作品が多いが、これもそういう感じ。 ストーリーは良いが全体的に垢抜けてないというか、「ダ…

アンダーカレント

ユナイテッド・シネマ金沢で。土曜夜の回なのに観客はおれ含めて三名。ほぼ貸切状態。だが最前列真ん中の席に座った人が靴を脱いで両足を前の席?の背もたれにのせながら見ていて、微妙に視界の下に両足の影が見えて気になった。あと入り口通路脇の青い LED …

ミステリと言う勿れ

イオンシネマ金沢フォーラスで。原作漫画を全部読んでるのでドラマ版には色々思うところがあり、映画版もどうかなあとは思いつつもまあせっかくだからと観た。 漫画は面白いけど不思議と内容はさっぱり覚えてないのでドラマ版も毎回解決編を見ながら「あーそ…

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE

イオンシネマ金沢フォーラスにて。バイクで崖からジャンプするアクションシーンをスタントなしでトムクルーズ本人が撮影初日に撮り「この映画がどうなるか一日目に確かめよう」と言ったという逸話をネットニュースで見てたので、それは映画館で見ておきたい…

THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス

マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの分業と共業による営業プロセス、レベニューモデルについて説いた本。 The Model というのは著者が米 Salesforce 本社で学んだ「型」を日本支社に持ち込む際に「例のやつ」的な感じで呼んでい…

パラノマサイト FILE23 本所七不思議

スクエニが先月リリースしたアドベンチャーゲーム。スクスト2のスタッフが関わっていて、ゲーム内のコラボ企画で知った。Switch 版を買った。 奥さんと一緒にやり始めてプロローグまで終えたところで「ポチゲーだね」と率直な感想を述べられ、スクストのスタ…

ノイズ

二週間くらい前に観た。漫画が原作で、映画は漫画と結末が違うらしい(後知恵で得た情報)。漫画原作と聞くと、いかにもありがちな内容だなという気がするし、起こる事件がいちいち突拍子も無さすぎて滑稽ですらあったり、人物描写もデフォルメされていて薄…

護られなかった者たちへ

同名の小説を原作とする社会派ミステリ、なのか?震災を扱った話、と思いきや本題は生活保護の話だった。なかなかよかったし、考えさせられた。 元旦の朝生で慶應の大学院の准教授をやってる人が「バラマキで一律十万円とかの根拠の一つに、支援を必要として…

1440分の使い方 ──成功者たちの時間管理15の秘訣

「TODO リストはやめろ、スケジュール表に予定を入れろ」という説を初めて見たのはどこだったか覚えてないが印象に残っていて、改めて検索したところ本に書いてあることらしいと知ったのでその本を読んでみた。 1440分の使い方 ──成功者たちの時間管理15の秘…

SAML入門

自社製品が SAML 認証をサポートしている関係でたまに問い合わせ対応するのだが、SAML の基礎知識も実用経験もないまま雰囲気で触っている状態だったので、理解を深めるために買った。 ちなみに仕事で触れ始めるまでは「SAML?Memcached の認証方式の一つで…

資格がなくても「旅行業」や「観光業」ができる本: ~「withコロナ時代」の2つの方法~

個人ガイドとして手広く活躍している著者が、旅行関連法や資格との兼ね合いを含めて個人ガイドができることできないことを説明したり、ガイドマッチングサービス各社の特徴を解説したり、ノウハウを(ある程度)共有している本。 なるほどそういう仕事もアリ…

ケーキの切れない非行少年たち

ずいぶん前に買って積読だった本。といっても 2019 年の本なので思ったより最近のことだった。 非行に走る少年少女のなかには人知れず軽度の知的障害を抱えている子たちが相当の割合いそうで、矯正プログラムは「内容を理解できること」を暗黙の前提としてい…

キャラクター(ネタバレあり)

絵は上手いがキャラデザのセンスがない漫画家がたまたま居合わせた殺人現場をネタに描いた漫画が大ヒットするも、その場でチラ見した犯人が漫画をなぞって殺人をし始めて……という話。 流血・血しぶき・刃物を突き刺すシーンなど、スプラッタな描写に自信があ…

ドライブ・マイ・カー

村上春樹の小説は読まないと決めているが、映画は別。アカデミー賞ノミネート作品がどんなものかと思って観てみた。 前半の濡れ場はなくてもよかったのでは、と思ったら案の定、本来無いはずのエピソードだったようだ。村上春樹っぽさを出すには大いに効果的…