@kyanny's blog

My thoughts, my life. Views/opinions are my own.

ドライブ・マイ・カー

村上春樹の小説は読まないと決めているが、映画は別。アカデミー賞ノミネート作品がどんなものかと思って観てみた。

前半の濡れ場はなくてもよかったのでは、と思ったら案の定、本来無いはずのエピソードだったようだ。村上春樹っぽさを出すには大いに効果的だったのだろうけど。

ドライバーが出てきてからはしっとりと雰囲気がある感じになってよかった。主人公が駐車場にあわられると、それまで熱心に文庫本を読んでいたドライバーがハッと顔を上げて即座に本を閉じつつ立ち上がり、間髪入れずに踵を返して車に向かってキビキビと歩いていく様子が、それを仕事として請け負っているプロらしさがでていて実によかった。

まさかまさかの「頭文字Dかよ」で静かにびっくりした。豆腐屋ではないし、あのエピソードを頭文字Dと結びつけるのはかなり飛躍してると自覚はしているが。

劇の稽古やら関係者との会話やらのシーンはやたら長くて、そのおかげでドライバーとのポツリポツリとした短い会話が光る効果はありつつも、観ていて飽きがきた。

三時間くらいの長編だけど、前半なくして人間関係も整理して 90 分くらいでまとめてもよかったのでは、むしろその方が完成度高くなったのでは、という気がしなくもない。

「インターナショナル版」ってなに?と思って少し調べた。インターナショナルではない版が別にあるわけではないらしい。紛らわしい。