@kyanny's blog

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成瀬は天下を取りにいく

本屋大賞をはじめ幾多の賞を受賞した話題作。本屋でよく見かけて、気になっていた。

前々回、金沢ビーンズに行ったとき「本屋に行ったら一冊買う」ルールを守れなかったので、前回行ったとき二冊買うつもりで、二冊目にちょうどよかったので買った。

青春小説、というジャンルなのだろうか。独特な女子中高生が主役の短編集で、クスリと笑えたりちょっと切なかったりするお話の詰め合わせ。ゼゼカラの話が一番面白かった。

たしかに面白かった。が、著名人・芸能人が寄せた絶賛のコメントは大袈裟すぎる。いささかコマーシャリズムに過ぎる。まあ本屋大賞の位置付けからして、そういう宣伝になるのは無理もないのかもしれない。

本屋大賞受賞作だと同志少女よ、敵を撃て - @kyanny's blogも面白かったので、他の受賞作もきっと面白いのだろう。

サラッと読めて、読後感も爽やかだが、特に何か残ったり学びになったりはしない。←さすがにそれは言い過ぎか。人の心の機微を知るには良いかもしれない。四十過ぎの中年男性が読むからこんな感想を抱いてしまうのであって、感受性豊かなティーンエイジャーが読むと色々感じ入る部分も多そう。

おれは本や読書に実用的な効能を求め過ぎるきらいがあるので、世の中そんな本ばかりではないのだし、たまにはこういう本を読むのも悪くない。なにより、手軽に読了できて「読めた」という自信に繋がるのがいい。

飽きずに読み終えられる本は読書の成功体験を積むうえで貴重なので、続編も読むつもり。