0-1 で敗戦。見どころのない試合だった。個のちからも組織のちからも富山が上回っていた。散々煽った北陸ダービーはオープニングマッチも含めて全敗に終わった。
金沢は MF 毛利が先発。MF 大山はベンチ入りせず。パワーのある富山相手に線の細い大山では不利という判断か。競り負けないぞという意気込みを感じるスタメン。
しかし期待とは裏腹に序盤から富山にペースを握られ、コーナーキックから失点。その直前のコーナーキックもゴールバーに救われており、セットプレーからの失点は必然だったのだろう。その後も前半は富山に試合を支配され、二、三度のカウンターしかチャンスがなかった。テレビ放送の録画も見直したが、ほぼアウェイ側ピッチにカメラが固定状態だった。
後半になると多少良くなるのもおなじみの流れだが、守備に意識が向いていたのかカウンターで裏を取られる最近の失点の形は防げていたものの、攻撃が遅すぎる。カウンター気味に仕掛けられそうなシーンやスローインで早くリスタートすれば一人が前にボールを運べそうなシーンでも、周囲の上がりが遅いので後ろに戻すしかなく、その間に相手が戻る余裕を与えてしまう。
ボランチやサイドハーフがセンターバックからのパスをダイレクトで前にフィードしたり、攻撃のバリエーションは増えたが、ゴールまでが遠い。選手交代でも流れを大きく変えられず、あえなく敗北した。
録画だとよくわかったこと: 金沢のセンターバックからボランチにパスを入れたとき、ボランチがダイレクトにセンターバックに戻す「ビルドアップ」のシーンを後半特に多く目にしたが、脅威になっている気がしなかった。富山の選手は、金沢のセンターバックがボールを持つと素早くプレスに行くが、ボランチが背中を向けてパスを受ける場面では動かない。金沢の意図としてはプレスに来させて陣形を崩してから一列飛ばして縦に入れたり左右に展開したりと攻撃の起点を作りたいのだろうけど、富山側には「どうせただ蹴り返して戻すだけだから怖さもないし追っても無駄なので構えて待とう」と見られていたように思う。あれでは崩せないし、意味がない。むしろバックパスのミスからピンチを招くリスクばかりが高まってしまう。
逆にスタジアムで観ていてよくわかったこと: FW 田口は前半は動きもあまり良くなかったが、後半は裏へ走る動きをよく見せていた（スルーパスが来なくて実らなかったが）。金沢の選手が前を向いてボールを持つと相手ゴールに向かって走り、横パスやバックパスになると（自分のところにはボールが来ないということなので）ポジションに戻る。また走る、戻る、という地味できつい動きをしっかりこなしていた。自陣でビルドアップしてる間の前線の動きはカメラのアングル的に映らないので、テレビや DAZN だけで観ていたら気づけないプレーだ。ゴールキックのとき、両手を挙げてアピールしていたが GK 上田がセンターバックにパスしたのをみてガックリ首を垂れて戻っていく姿は気の毒ですらあった。リーグ前半戦、岐阜で 11 点取って J3 得点王ランキング二位につけていた選手が金沢に移籍後六試合でまだ一点も取れていないのは、本人のパフォーマンス云々ではなくチーム戦術の問題ではないか。
J2 秋田にレンタル移籍中の MF 小野原といい、おれはがむしゃらに泥臭くプレーする選手が好きだ。下手でもシンプルにプレーする選手が好きだ。田口は「FW だったら最低これだけはやれよ」と期待するプレーをやっている: 前を向いてシュートを打つ。今日も、枠内には飛ばなかったが、ゴール前でパスを受けて最短の動作で振り返って脚を振り抜いたシュートがあった。FW はとにかくシュートを打たなきゃ話にならない。この選手ならシュートを打ってくれるはず、ゴールを決めてくれるはず、という期待を抱かせられなければ FW ではない。本人もフラストレーションが溜まってるだろうし、前節讃岐戦の後のコメントで「僕がきてからは勝っていないので責任を感じている」とも語っていたけど、どうか心折れずプレーし続けて欲しいし、伊藤監督は肚を決めて使い続けて欲しい。チーム内で最も得点の匂いがする FW であるのは間違いないと思う。アシストは結果を出してることからも、点に絡めてはいるので。
おれ自身は金沢・石川の出身ではないので富山に思うところもないし、ダービーと言われても別に……という立場ではあるのだが、やはり他のチームよりも負けた悔しさは大きいし、あれだけ煽っておいて3タテというのは、だから言わんこっちゃない、というガッカリ感もある。
試合開始前と試合中はライバル心をむき出しにした両サポーター（特に富山側）だったが、ここ数日の能登の豪雨被害を受けての試合後の横断幕とアウェイゴール裏からの呼びかけは心にジーンと響いた。富山の声援も大したもので、今日は選手もチームもサポーターも富山に負けたと思う。
スタジアムにレッドブルカーが来ていて（前日、金沢港クルーズターミナルでいしかわアーバンスポーツパークス2024 | 石川県というイベントがあったのでそれに来たやつが寄ったのかなと予想）、入場前にそこら辺を歩いてたレッドブルガールからレッドブル一本タダでもらえてエナジーチャージした。せっかくなのでレッドブルカーの写真を撮った。実物を見るのは十年以上前？に何かのプログラミングカンファレンス会場で見て以来。ナンバープレートの数字が二台とも 283 で、「なんだろう、ツ（2）バ（8）サ（3）？」と呟いたら「正解でーす」と。小洒落ている。
会場にオリジナルのゲンゾーステッカーと伊藤彰監督ステッカーを持参されているサポーターの方がいて、奥さんとおれとで一枚ずついただいた。SNS で見かけていて、彰ステッカーはいいなあと思っていたが、まさかもらうチャンスがあるとは思わなかったのでよかった。
金沢は9位に後退。6位の相模原とは勝ち点差2だが、明日大阪が勝って6位に浮上すれば勝ち点差は3、一ゲーム分となる。富山は2位今治と勝ち点差1まで迫り、自動昇格がすぐそこに。金沢は意地を見せてプレーオフ出場圏内に返り咲いて欲しい。
次節岐阜戦はバスツアーに参加してアウェイ現地で応援予定。
