ユナイテッド・シネマ金沢で。土曜夜の回なのに観客はおれ含めて三名。ほぼ貸切状態。だが最前列真ん中の席に座った人が靴を脱いで両足を前の席？の背もたれにのせながら見ていて、微妙に視界の下に両足の影が見えて気になった。あと入り口通路脇の青い LED 照明もギリギリ視界の横に入るくらいの位置で気になった（これはパーカーのフードを被ってシャットアウトした）。
ほぼ原作どおりのシナリオで、変な改変がなくてよかった。水中に沈んでいくシーンの細かい泡が綺麗だった。堀役はなるほど合ってるかも、という感じで、探偵役は漫画を読んでても「実写化したらこの役者だろうな」という風貌ではあったのでもちろんまんま、なのだが当たり前すぎて他にいなかったのかと思わなくもない。
実写で観ると豊田徹也の絵の幻想的な雰囲気がなくなってホラーっぽさが強まっていた。こんなに暗い話だったっけ、いや暗い話ではあるのだが、という感じ。タバコ屋のじじいがいい味を出していて、豊田徹也の世界っぽいなあという達観した語り部っぽさが良く出ていた。
観た後、原作を読み返してみた。やはり原作のほうが良い、というか実写であの世界観は出せないと思う。絵と絵の間の時間が止まっているような、あの感じは。全体的に10歳ずつ年下だったらな、という印象。原作では堀は35、6歳という設定で、かなえが5歳下なので30歳くらい。絵の印象もそのくらいに見える。役者は軒並みそれより年上。
