第三十四回鮎川哲也賞受賞作。SNS で今秋発売の報を見たときは予約受付が始まっていなかったので、思い出せるように Google アラートまでセットした。そのくらい絶賛の宣伝文句だった。
たしかに面白かった。300 ページと短いが、話に終始スピード感があってもっと短く感じた。目まぐるしく展開するが、置いてけぼりになるどころかぐいぐい引き込まれた。没入感高く読めた。
小説というよりも、映画、いや二時間もののサスペンスドラマのようだった。「主人公と瓜二つの溺死体」という設定も映像映えしそうだし、「チームバチスタ」シリーズよりも良い出来になりそう。
ミステリーの謎解きは、難しすぎてわからなかった。真相は、謎解きの途中でわかったかもと思いきや想像の斜め上をいき、驚いた。重い内容だったが、読後感は暗くならず、すっきり読めた。「禁忌の子」という題はよくできている。
探偵役のキャラクターを主役に据えてさっそくシリーズ化するようで、続編が来年発売予定らしい。それを読むかどうかは、どうかなあ。