@kyanny's blog

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君の名は。

TOHOシネマズ府中にて鑑賞。よかった。「言の葉の庭」のパンフレットも売ってたのでついでに買った。以下ネタバレあり。

  • やはり新海誠作品は空と雲(特に夕焼け)だなと思った。
  • ストーリーも「らしさ」を感じるものの、超常現象ものはあまり好みではなかった。
  • 先生元気そうでなによりだった。一目見てすぐピンときたし声聞いて確信した。あれはよいファンサービスだと思う。
  • また「あの花」の作画の人かよと思った。
  • RADWIMPS も悪くないけど、やや「くどい」なと思った。最初 BUMP OF CHICKEN かと思った。
  • 自分は新海誠作品に「めっちゃ綺麗な動くCGと切なさ」を求めているのだなと思った。アニメと物語ではなく。

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藤田直哉がいうように、災害を扱ったのはやや安直だったのでは、と思った。震災後を生きる作家として触れないわけにはいかないテーマだったのかもしれないが、大衆向けになることが決まっていた作品でそれを扱う以上、救いがある話にならざるをえなかったはずで、その結果「それをやっちゃダメなんじゃないの?」と疑問を感じさせてしまうような、予定調和にまとまってしまった。

RubyKaigi で京都に来て、初日の夜に二回目を、三日目の夜に三回目を観に行った。どちらも movix 京都で鑑賞。二回目は RADWINPS のサントラを連日聴きまくっているので、音楽のタイミングを確認したくて観た。ちゃんとサントラの曲順に流れてて、サントラってそういうものなんだろうけど驚いた。あと、特に歌の場合に、ちゃんと曲の「動き」と画面のシーンの「動き」が連動というか、意味がある感じで双方動くのも、映画の音楽ってそういうものなんだろうけど驚いた。三回目は MdN の「君の名は。」特集を呼んで作画などについていろいろ情報を得たのでそこに注目したくて観た。あと音のタイミングも改めて確認したかった。前の席の人がデカくてスクリーン中央下が頭部で隠れていてイラッとした。肌の色とか白の表現とか、ベストの色とか。「塗り」が撮影時にかわる、という話は、雑誌に載っていたような比較をみるとなるほどと思えるけど、「塗り直す前の映像の絵」がどんな風であったはずなのかを観客は知らないのだからそういう見方をするのは無理だなと気づいた。

以下、だからどうしたという感じの気付いたこと

  • 三葉の中に瀧が入っているときは髪型がポニーテール(表情やしぐさ、声の縁起だけじゃなく、見てわかるアイコン的な違いもあるということか)
  • 五年後に再開したとき奥寺先輩は結婚していた。エピローグで司が指輪をしていたか確認できなかったが、まぁさすがにそこは別の誰かが相手だろうか
  • エピローグのイントロでサブキャラたちのその後(現在)の姿が描かれているが、全員いたか?三葉の嫌味な同級生女子が一人牛丼食ってたが、他の二人がいたかどうか。
  • 三年前に 17 歳だった三葉と 17 歳の瀧が入れ替わったとすると、三葉は瀧より三歳年上。五年後に瀧が就活中なので、高2から大4までで五年、で計算は合う。大4の10月にまだ就活中で内定ゼロはリアリティあるんだろうか。三葉との再開時も、リクルートスーツの瀧に対して三葉はすでに社会人。「かたわれ時」に初めて出会ったときは瀧のほうが私服で大人びて見えたが、あれで実は同い年だった。
  • エンドロールのスタッフリスト、「撮影」にも新海誠の名があった
  • タイムラプス的なシーンはオープニングと、前前前世と、あともう一箇所くらいあったような気もする。一眼レフで撮った動画のようなシーン、というのは、どこか覚えてないがピントが手前から奥に向かって移動していく撮り方のシーンだろうか

かたわれ時に二人が出会うシーンはまぁいいとしても、壊滅した糸森を前に瀧のスマホの日記アプリから三葉が書いた日記が消えていくシーンは唯一この映画で気に入らない。オカルトすぎるし、あの不気味な演出でなくても、日記アプリにあったはずの三葉が書いた日記だけごっそり消えてなくなっていた、というのでもよかったのでは。そのほうが、瀧の記憶違い、すべて夢か妄想か、という心理と辻褄があうし、よりよくそれを演出できると思う。

MdN の新海誠インタビューはよかった。「前からこういう(マスにうける)作品を作りたかったか?」と、読者や観客が聞きたいであろうことをちゃんと聞いているのがよい。二回目を観たときなんとなく、オープニングの絵が他とちょっと違う?と感じたが、作画監督がそこだけ違うからだった。なるほどそういうところで違いが出るものなのか、と思った。

Vesper

http://vesperapp.co/blog/the-end-of-vesper/

App Store をぼんやり眺めていたらメモアプリの Vesper がアプリの提供を終了することを知った。クラウドデータ同期サービスはすでに終了していた。

昔少し試した程度で、しばらく前に消してしまっていたけど、 look & feel は好きだったので、記念にダウンロードしておいた(購入後履歴からいつでもまたダウンロードできるだろうけど)特にタグを入力するところは出来が良かった。あと開発者が同期サービスのバックエンドの設計と実装について書いたブログ記事のシリーズが興味深かった(途中までしか読まなかったけど)

作者の「日曜日にサービス終了を告知してアプリを無料にしたら、たった数日でそれまでの三年間に有料アプリとしてダウンロードされた総数の 1.25 倍もダウンロードされたよ」というつぶやきに対して公式アカウントが反応している。シュールだ。キーワードに反応する自動ツイートの仕組みを仕込んでいるのかなと思うけど、これを中の人自身がやってるとしたらだいぶ皮肉というかちょっと狂ってると思う。

Daring Fireball: Vesper, Adieu

$20 の Mac アプリからはじめていたら iPhone アプリよりはるかに売れ行きが悪かったんじゃないかなぁ。 2013 年に Mac App Store はもうあったっけ。業界の有名人が作ったということでご祝儀的に盛り上がってそこそこ売れたかもね。まぁともかく悲しみと後悔は伝わってきた。

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untitled

めっちゃ長くなったイシューを読み返しながら「このイシューに紐付いてる Pull Request ってどれとどれだっけ?どの順番で実装されて、どれがマージされてるんだっけ?」などを把握したいときに便利。

https://www.npmjs.com/package/bookmarklet を使ってみた。

げんしけん 127 話 感想

これまでのあらすじ

blog.kyanny.me

アメゾの作者コメを読んで、木尾がやりたかったことがわかった気がする。時系列の考証は必要だが、

  • 木尾は初代で斑目と咲を描き足りなかった。げんしけん以前の作風から考えるに、オタク的ハッピーエンドでは決してなく、オタク・斑目が高めの一般人・咲にきっちり振られて終了、が既定路線だったはず
  • 二代目キャラたちは賑やかし要員に過ぎず、ハナゲ告白→玉砕を描き切って「いい最終回だった」で終わりでよかった、が、二代目はオギとハト世代の話だという建前もあり、「その後」を描かなくてはならなかった
  • 初代で未練があった斑目の掘り下げを存分にやれた結果、感情移入しすぎてしまい、いまさらバッドエンドで退場させたくなくなってしまった。読者からの支持も得て、咲の次にお気に入りの女?キャラだったハトとくっつけようとあれこれやって手を広げすぎ、収拾つかなくなってしまった
  • 一方で描きたかったサキマダルートをスポフラという形で具現化できて満足してしまい、本編を辻褄合わせてまとめるのが面倒になってしまった
  • やはりマダハトはお気楽に描くには難しすぎるテーマで断念した(女装趣味とBL腐女子ネタでは済まなくなり、ゲイとノンケの恋愛というガチで繊細な話にシフトしてしまうと、ぢごぷりとはまた別のややこしい物議をかもすことになる)

…なんてところなんじゃないかと。