@kyanny's blog

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2024 J3 第12節 ⚽️いわてグルージャ盛岡🆚ツエーゲン金沢 #zweigen

2-0 で金沢の勝利。Lemino で録画を観戦。SNS でうっかり結果を知ってしまったが、結果と速報だけではわからないこともあって、観てよかった。

岩手は前節で福島に 0-9 で大敗したが、今節の前半の動きは良く、9 点取られるチームには見えなかった。前線からアグレッシブにプレスをかけてきて、外されてボールを前に運ばれたら中盤の選手が二の手のプレスをかけてくるなど連動した動きで、金沢はなかなか攻めの形を作れなかった。攻撃面でも、ワンタッチでテンポよく繋ぐ素早いカウンターで一気に金沢ゴールに迫ってきた。ゴールポストに阻まれたシュートが実質一点、ポスト左に逸れた一本目とこれも僅かに左に逸れたフリーキックも入っててもおかしくないコースだった。

岩手は守備から入るチームで、前からプレスをかけてくるスタイルで、しかし前節はプレスをかけずに引いて守る形だったので中央に縦パスを差し込んでくる福島のスタイルと相性が悪い戦い方になってしまい、失点を重ねた、というレビューを読んだ。そういう事情があり、今日の岩手とはおそらくかなり出来の違うチームだったのだろう、とはいえ前節の福島に岩手が 9 点取られたのであれば、第3節あたりの金沢が前節の福島と戦っていたら 15 点くらい取られて負けてたんじゃないだろうか、などと思った。

風向きが変わったのは前半 38 分?だったか、MF 大山のフィードを敵エリア内で MF 石原が受け、左に流して MF 島田が流し込み一度は得点とされたものの、直後に石原がトラップしたシーンでファウルがあったと認められて取り消しになった幻のゴール。あれで金沢の選手に火がついたのか、取り消されたとはいえゴールにボールを入れたことで勢いづいたのか、徐々に金沢の攻めが形になってきた。前半は金沢のフィードの精度が低く、これは風が強くてボールが流されていたのかもしれないが、風が少しおさまってきたのも効いていたのかもしれない。

後半は岩手のプレスの圧力がはっきりと落ち、それによって金沢は組み立てやすくなったし前にパスを通しやすくなって、だんだん一方的に攻め続ける展開になっていった。特に一回目の選手交代の前までの数分間は、岩手が跳ね返したボールを金沢が拾ってはまた次の攻撃という波状攻撃で、これはいつ得点してもおかしくないという感じだった。そこで決めきれずにムードが悪くなるかと思いきや、気持ちが落ちずに前への推力を保ち続けられるのがここ数試合の金沢の強さの源泉だと思う。

この試合、金沢はキャンプ中の怪我で開幕から戦線離脱していた MF 塚元が初のベンチ入りを果たしており、一回目の選手交代でビッチにも立つという、金沢にとっては大きなポジティブな出来事があった。塚元は 2022 シーズンにも金沢に在籍していたが大怪我をして出場機会がないまま移籍しており、前回の在籍時から通算しても今日が金沢でのリーグ戦初出場だったそうだ。その塚元のプレーは、怪我をしないかとヒヤヒヤしながら見始めたが、なかなか良いパスを出したりしていて期待が持てた。

今日は大山の技術の高さがよくわかった。幻の一点目の起点となったフィードも精度が高かったし(受けた石原のトラップも上手かったが)、二点目を決めた MF 梶浦へのアシストとなったパスも、エリア内で前に運びながら顔と上半身を前方やや右に向けてドリブル突破の姿勢をとるふりをしてそれはフェイントで左にパスを出していたし、一点目の土信田がヘディングで合わせたフリーキックのキッカーもそういえば大山だったか?浮き玉のトラップなども綺麗に足元に収めていたし、パスもバリエーションが多くて攻撃が多彩だった。

金沢の不安材料、とまではいかないがウィークポイントの一つに、大山不在時の攻撃の多彩さがあると思う。大山が交代で下がると右シャドーが定位置になりつつある梶浦が一段下がってボランチの位置に入るが、そうなると攻撃力が下がる。塚元の復帰はこの問題への解答の一つになりうると思う。ボランチに下がった梶浦の代わりに塚元がシャドーの位置に入ることで前線での攻撃の展開力を維持できる見込みが出てきた。梶浦といえば、今日は右サイドからの攻撃のシーンで DF 櫻井との連携ミスが何度かみられた。

塚元と同じく後半の遅い時間から入った DF 小島は短い出場時間ながらも今日も良く、エリア外からいいコースにシュートを打って、キーパーが触る→後ろに逸れたボールがポストに当たって惜しくも得点ならず、というシーンがあった。小島が自ら積極的に行くシーンは何試合かで見られ、以前はそういうタイプではなかったという評も見たことがあり、副キャプテンになったことがポジティブな影響を与えているのかもな、などと思った。

今日も金沢のサポーターの声援はよく聞こえた。岩手サポーターの声援も負けじとよく聞こえ、熱心さが伝わってきた。塚元が交代出場したときのコールが一際大きくて、復帰を待ち望んでいた気持ちの大きさを感じさせた。

金沢は追加点はならずも無失点に抑え勝ち点 3。今節終了時点でプレーオフ圏内の 6 位に浮上した。勝ち点は 18。勝ち点差 3 の間に J2 自動昇格圏内の 2 位からプレーオフ圏外の 7 位までがひしめく混戦模様。ぶっちぎりでトップを走る大宮に追いつくのは厳しい差とはいえど、昇格圏内も射程範囲に入ってきた。まだシーズンの三分の一なので先は長いけど、好調を維持して勝ち点を重ね、6 月のホーム大宮戦で良い試合をして勝ち点をもぎ取りたいところ。そのためには次節ホーム鳥取戦で今シーズン初の連勝を飾り、さらに勢いをつけたい。ゴールデンウィーク最終日、天気はぐずつく予報なものの、またまたスタジアムで観戦予定。