@kyanny's blog

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JABRA EASYCALL を買ったら #ingress が楽しくなった

片耳にひっかけるタイプの Bluetooth ヘッドセットが欲しくなって、定番っぽい JABRA EASYCALL を買った(ヨドバシカメラで二千円くらい)。これをつけて Ingress をやってみたところ、とても快適だった(歩きスマホは危険なのでやめましょう)。

【日本正規代理店品】 Jabra EASYCALL A2DP Bluetooth ヘッドセット EASYCALL

【日本正規代理店品】 Jabra EASYCALL A2DP Bluetooth ヘッドセット EASYCALL

Ingress は iOS 版がリリースされた直後にはじめてみたものの、ルールが難しいしなかなかレベルも上がらないしでほどなくしてやめてしまっていた。でもずっと気になってはいて、暇なとき Ingress のことを書いてあるブログを検索して読んだりしていたら、「リアル課金」アイテムのひとつとして Bluetooth ヘッドセットが挙げられていて、なるほどそういうのもあるのか、と思って買ってみた次第。

快適さの理由はコードレスだから、だけではない。何年か前に SONY の Bluetooth イヤホンを買ったことがあるが、操作ユニット部分の固定に難があり、気に入らなかった。クリップで留められるが、服装によっては留めづらいし、服がしわになるのも気になった。かといって固定せずぶらぶらさせておくには重すぎた。

片耳タイプは軽く、耳にひっかけた状態だと安定している。激しい運動をしたら勢いですっとんでしまいそうなくらいの装着感だが、徒歩移動中に使うにはそのくらいゆるいほうが耳が痛くならなくてよい。 iPhone とのペアリングも簡単だし、バッテリーもこういう利用の仕方だと数日はもつようだ。カナル型ではないので音声の聴き取りやすさはまぁまぁで、幹線道路のそばを歩いていると車の音でかき消されてしまうが、電車内くらいの騒音レベルだと問題なく使える。マイクも付属しているので Siri にも話しかけやすくなったが、屋外では環境音のノイズを拾いすぎてしまって、 Siri の認識のいまいちさとも相まって使いやすくはない。

見た目はおそらくちょっと異様、なんだと思う。小さいし装着感がソフトなので着けてる本人はさりげないつもりだけど、駅やら道やらで怪訝そうな視線を感じることが何度かあった。でも耳にヘッドセットなんていかにも「エージェント」らしいし、コードがないとスマホの取り回しもしやすくて Ingress に限らず使い勝手はよい。電車内では Umano で英語のリスニングをしたりもしている。

値段も安いし、雰囲気がでるのでエージェントのみなさんにおすすめです。なお同ブランド同価格帯に EASYVOICE, EASYGO という別モデルもあってどれを買うのがいいか悩んだが、デザインが違うだけのようだ(さらにソフトバンクセレクションなんてのもあって余計にまぎらわしいがどれも機能は同じ)

英語で朝会

Quipper には約 20 名ほどの Developer がいる(Software Engineer + Designer をあわせて Developer と呼んでいる)。この夏から、おおまかなトピックごとにチームをわけて、毎月チーム間でメンバーをシャッフルしている。

GitHub flow に従うこと、のような基本的な決まりは Developer 全員に共通しているが、それより細かいレベルでどのような開発手法を取り入れるかはチームの裁量に任せられている。が、自然とどのチームも daily standup (スクラムでいう朝会)をやるようになった。

どのチームも複数拠点のメンバーからなるので朝会での公用語は英語だ。 Skype でビデオチャットをするチームもあれば、 HipChat でテキストチャットをするチームもある。朝会といいつつ、時差の関係で夕会になってしまうチームもある。

今月のシャッフルで参加し始めたチームは Developer と Product Owner が全員で Skype ビデオチャットをしている(日本とフィリピンの二拠点)。数回経験してみて、いままでやってきた朝会に比べて無駄が少ないことに気づいた。

フィリピン人はともかく、多くの日本人メンバーは英語がものすごくできるわけではない。必要なことは言えるし意思の疎通もできるが、込み入った話をするには心もとない。それがかえって、話が脱線してミーティングが長引くのを抑制しているようだ。

短時間で実のある朝会を維持できる一方で、日本人同士が日本語で喋る便利さを痛感する。情報伝達の質・量ともに桁違いなので、ついついオフラインの「分科会」に頼りたくなるが、それは日本人以外に伝わらないだけでなくリモートの日本人にも伝わらないので良いことではない。

透明性と信頼感を維持するためには、 in person でやり取りした内容をちゃんとチーム全員が見られる場所にまとめる、ということをコツコツやっていくしかない。当たり前のことを手抜きせずやる。これができなくなったとき、規模にかかわらず組織は大企業病に罹るのかもしれない。

livedoor Reader 終了に寄せて: Fastladder オープンソース版は GitHub で開発継続中です

【重要】 livedoor Reader サービス終了のお知らせ|livedoor Reader 開発日誌

livedoor Reader が 2014年12月25日(木) をもってサービスを終了します。自分でも永らく使っていたし、個人的に縁も思い入れもあるサービスなのでとても残念です。

Twitter で fastladder を検索 して眺めていると、やはりというか LDR 終了で移行先を探している方が多数いるようです。候補としてオープンソース版の Fastladder のセルフホストを検討している方もそれなりにいるようですが、 http://fastladder.org/ja/ のほうをみて「ずいぶん古そうだし、メンテナンスされてる気配もないからダメかな...」と諦めているつぶやきをみかけたので、ちょっとアナウンスを。

http://fastladder.org/ja/ のソースコードは元々 Google Project Hosting でホストされていましたが、現在からここから fork したものが GitHub 上で有志の手により継続して開発が続けられています。

URL はこちらです。

fastladder/fastladder · GitHub

また、勝手ながら Idobata に fastladder のチャットルームを作りました。 Fastladder オープンソース版に興味があるひとが集まってざっくばらんに会話できる場になるといいな、と思っています。

Idobata

Speaker としての #rubykaigi 2014 を終えて

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RubyKaigi 2014 二日目 9/19 11:30 から Hall A にて <%= link_to "bundle", "update" %> - Make "bundle update" more fun to review という発表をさせていただきました。お聞きいただいた皆さん、ありがとうございました。

https://speakerdeck.com/kyanny/percent-equals-link-to-bundle-update-percent-make-bundle-update-more-fun-to-review

Compare Linker というツールの紹介と、なぜそれを作ったのか、そして開発を通じて得た学び、などについて発表しました。


Compare Linker については You can review "bundle update" efficiently with Compare Linker - @kyanny's blog で詳しく説明していますが、この記事も発表も英語のみで、日本語での説明が無いことに気づいたので、この場で改めて説明します。

  • bundle update して依存 gem が更新されると Gemfile.lock の差分が発生します。GitHub の pull request を使った開発フローでは Gemfile.lock の差分を含むコードレビューをする機会があります。しかし Gemfile.lock の diff はレビューに適しているとは言えません。
  • ある gem のバージョンが変化したことはわかりますが、具体的に何がどのように変化したかについての情報はありません。何が変わったのかを知りたければ、まず gem のソースコードリポジトリを検索し、バージョン間の diff を見る、などの作業を全て手作業で行うことになります。
  • 実際にそういうことを何度も繰り返した結果、面倒なので自動化しようと思い立ち、 Compare Linker を作りました。
  • Compare Linker を Rack アプリケーションとして Heroku などで起動し、 GitHub のリポジトリの設定で pull request webhook の送信先に URL を登録します。新しい pull request が作られると Compare Linker は webhook を受け取り、Gemfile.lock が変更されているか調べます。
  • Gemfile.lock が変更されていれば、 pull request の base ブランチ(通常は master です)と head ブランチ(pull request のもとになっているブランチです)それぞれの Gemfile.lock を比較し、変更のあった gem について GitHub の compare view URL を作成し、リンクの一覧を pull request ページにコメントします。

発表ではさらに、 Compare Linker の開発を通じて学んだことについても話しました。それは「アイデアを思いついただけではだめで、行動をおこさなければ価値はうまれない。しかし行動してみただけでもまだ不十分で、改善し続けることが最も大切だ」ということです。

このことに気づいたのは、Junior Designers vs. Senior Designers — The Year of the Looking Glass — Medium という記事を読んだときでした。 Compare Linker を開発し、仕事のワークフローに組み込んで数ヶ月使ってみたものの、思ったほど便利ではなかったかな、と感じていました。その理由はなぜだったのか、この記事を読んでわかった気がしました。なので、どうしてもそのことを伝えたくなり、記事の著者に引用の許可をいただき、話の結論にあたる部分のスライドに記事中の図を使った、という経緯があります。

自分としては、「単なる自作ツールの紹介ならブログで十分。わざわざ話を聞いてもらうからには、自分が得た知見まで含めて伝えたい」との想いからこのようなストーリーを組み立てたのですが、ちょっと説明不足だったかもしれません。


発表の準備をするにあたって、いくつか影響をうけたことがありました。

@deeeet さんの コマンドラインツールについて語るときに僕の語ること のスライドの美しさを目にしたことが、それまで既存の自作テーマを使い回して作っていたスライドを見つめ直すきっかけになりました。この内容を伝えるために最も適した表現方法が他にあるのではないか?と考え直し、結果的に満足のいくものが作れました。

また、 @deeeet さんのブログ記事 や、 GitHub の Zach Holman 氏による The Talk on Talkshttp://speaking.io/ からは、スピーカーとしての心構え、特に準備や練習を入念にすべし、ということを再認識させられました。振り返ると、準備、練習ともに不十分だったと感じており、反省すべき点が多々ありました。

Zach Holman 氏からは心構え以外にも、スライドの文字を大きくすることや、目にやさしく見やすい配色を選ぶこと、元気よく情熱的に喋ることなど、多くを学びました。それから、 Keynote の ⌘D というキーボードショートカットを知ったおかげで、スライド作りがだいぶ楽になりました。スライドの見栄えについては、事前のコネクタ接続チェック時にちらりと確認した限りでは、まずまずの出来だったのではないかと自負しています。喋りについては、声はちゃんと出ていたと思いますが、なにぶん経験の浅い英語スピーチだったのでしっかり前を向いて喋れなかったのが反省点です。

そして、最も強く影響を受けたのは、四月に開催された RESTful Meetup vol.3 における @koriym さんのプレゼンテーションでした。まるで TED トークのような情熱あふれる素晴らしいプレゼンテーションで、自分もいつか郡山さんのようなプレゼンテーションをしてみたい、と強くインスパイアされました。そのおかげで RubyKaigi 2014 の CFP に応募する一歩を踏み出せましたし、本番が近づくにつれプレッシャーで追いつめられた気持ちになったときも、あのときの感動を思い出して勇気づけられました。


英語が流暢に喋れるわけでもないのに英語でスピーチをすることについては葛藤がありました。 Semi International Conference とはいえ大多数の参加者は日本人ですし、日本語スピーチについてはプロの翻訳チームによる英語への同時通訳が提供されるのですから、下手な英語で喋るより日本語で喋ったほうが、誰にとってもメリットが大きいはずです。それをわかった上であえて英語を選ぶのは勇気がいることでした。オーガナイザーチームの皆さんがそれを認めてくれたことはとても嬉しく、同時に責任の重大さも強く感じました。

発表前日 @kakutani さんから「(言語は)どっちでもいいと思っている。日本人が英語で喋っても、外国人が日本語で喋っても、好きにやってもらえれば」とおっしゃっていただいたおかげで、ここまできたらあとはやれるだけのことをやるだけだ、と気持ちが吹っ切れました。

発表直後には、翌日の発表を控えた @remore さんから「自分も英語でスピーチする予定なので、(日本人である僕が英語で喋っているのを)みれてよかった」と言っていただき、やってよかった、と救われた気持ちになりました。

英語スピーチの準備をするのは日本語のときと比べるとずっと大変で、逃げ出したくなったときもありましたが、貴重な経験になりました。この経験を糧とし、今後はより大きな目標にチャレンジしていきたいです。