ざっと流し読みしたけど、いまいちだった。深く読み込めばもっと得るものもあるのかもしれないが、この本を精読するよりは他の本を読みたい。
JavaScript によるクライアントサイドアプリケーションはステートフルなオブジェクトで構成されるので、状態を持つがゆえにテストもデバッグもしづらいらしい、ならばステートフルを飼いならすためにそれが一体どういうものなのかちゃんと学ぼう、と思い、タイトルにひかれて買ってみた。が、実際にステートについて触れている箇所はあまり多くなく、期待はずれだった。
この本の原題は「JavaScript Web Applications - jQuery Developers' Guide to Moving State to the Client」で、これなら jQuery の話が中心でも仕方ないかな、という気はする。ただ、最初からこういう書籍名だと知っていたらたぶん読もうとは思わなかった。
MVC についての説明で「コントローラーの実装に特別なツールは必要ない」とか言いだして jQuery でオレオレコントローラークラスライブラリを実装し始めたり、リレーショナルでもなんでもないデータ構造へのラッパーを「ORM」と呼んでいたり、微妙だなーと感じるところが多かった。
原著が書かれたのは三年前なので MVC フレームワーク解説のチョイスもちょっと古い。 JavaScriptMVC や Spine について日本語で書かれている文献は少ないだろうから、場合によってはありがたい本なのかもしれない。どちらも興味が無かったので読まなかったが。
JavaScript によるクライアントサイドアプリケーション開発という分野は進歩が激しいので、二、三年前でももう内容が陳腐化してしまうんだな、という学びはあったが、モジュール性を高める設計とか CommonJS への言及とか、扱っているトピックは興味深いだけに、実装がモダンになりきれていないのが残念だった。
ステートフルJavaScript ―MVCアーキテクチャに基づくWebアプリケーションの状態管理
- 作者: Alex MacCaw,牧野聡
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2012/06/09
- メディア: 大型本
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