グリコ・森永事件を題材にした同名の小説が原作の映画。
小説を読んでいたのであらすじは頭に入っていた。差分を確かめながらの視聴だった。映画版が意外に良かった。
宇野祥平の迫真の演技。阿久津と俊也からの電話に出るシーンでは、俯いてふるえる額の血管がくっきり浮き出る様子から、泣いているのか怒っているのか、とても強い感情に揺さぶられていることが伝わってくる。さすが各賞の助演男優賞をとっただけある。
「解決編」にあたる終盤のシーン。
脚本は「アンナチュラル」や「MIU404」の野木亜紀子。非難めいた口調で達雄に切り込む阿久津の姿に野木脚本らしさの片鱗が見えた。
小説にはない、映画ならではの映像と声の力を感じる作品だった。