@kyanny's blog

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風俗は短期的な解決にはなりうる

性欲とかのレベル彼女がほしいという順で、コメント欄も含めて読んで。

どうにもうまくまとまらない。けど、「風俗なんてろくなもんじゃない、が、そう悪くもない」ということを書いておく。

「行く前」と「行った後」での、自分の風俗に対する考えの変化

俺は風俗に数回*1行ったことがあり、オタク向けにチューニングされたもの*2も、そうでないものも経験がある。風俗に自分で金を払って行くようになる以前は、俺は熱心な風俗否定論者だった。しかし行ってみて考え方が幾分変わった。それは上で挙げたエントリのコメント欄でのやり取りがそのまま当てはまる。

風俗行きましょうよ。
Posted by 素人童貞 at 2005年11月23日 21:58

風俗行っても性欲が解消されるだけで、それはオナニーするのとあんまり変わらないんですよね。
そういう私も風俗行ったことないですが。

Posted by 通りすがりの童貞 at 2005年11月24日 01:27

いや、オナニーほど気持ちよくないし性欲も解消されないんですよ。悲しいことに。
Posted by 素人童貞 at 2005年11月24日 06:21

以前の俺は通りすがりの童貞氏と全く同じことを考えていた(そして風俗に行ったことがなかった)が、今は素人童貞氏の考えに賛成できる。風俗はオナニーほど気持ちよくはないし、性欲も解消できない。しかし、「限定的には」風俗はある種の問題解決に役立つとも思う。

Piroさんが書いている「風俗では満たされない性欲」は、言い方を変えれば以前犬山さんのエントリのコメント欄で言及されていた「性的な他者からの承認」を欲する気持ちだと言える。この気持ちがわかるひとは、この承認は永続的なものだっていう共通認識を暗黙の了解としてもっている。しかし、この気持ちがわからないひとにはその共通認識がないので、「しのごのいわずに風俗いけ」「ぼくらが必要なのはそういうんじゃないんだ」という水掛け論が、互いの認識のずれに気づけないまま繰り返される。

でもここで、俺は、刹那の安息を求めて風俗を利用することにも意味はあると言いたい。オナニーとは全く違った部分を満たせるのだと言いたい。素人童貞氏が、「オナニーほど気持ちよくないし性欲も解消されない、が、風俗へ行こう」と言ったのは、ただ投げやりになっているわけじゃないはずだ。ちゃんと理由があるんだ。

最大の違いは、「生身の女の子がいて、二人きりの時間を過ごせる」ということだ。これは、「モテないのが苦痛ならキャバクラへ通って女の子に慣れればいいじゃない」というのとは全く違う意味をもつ。「二人きりの時間空間」というのはとても大事なものなんだ。そこには自分と相手の女の子しかいない。二人きりの時間空間にはモテ・非モテという概念の入り込む余地はない。

「金で買った不純な時間空間で満たされるものか」と考えるのは当然のことだ。それはまるっきり正しい意見で、しかし不完全ながらも確かにこころのある部分は、不純な時間空間でもって満たされる。街を行く美しい女性たちを羨望のまなざしで見つめ、幸せを振りまいて歩くカップルを恨み呪いの言葉を投げつけ、寂しさと恐怖と「ぬくもりが欲しい」という感情で気も狂わんばかりに精神的に追い詰められて、このままでは自分はいつか恐ろしい犯罪を犯してしまうのではなかろうかとさえ考え始めたときに、いくばくかの金を払って数十分間ひとりの女の子と二人きりで過ごす権利を買う。その数十分間は、どうやっても埋めることができなかった自分の中のある部分を、確実に、しかし不完全に、埋めてくれる。

その数十分間が貴重なのは、「生身の女の子が自分だけを見ていてくれる」からだ。これは本当に冗談じゃなく重要なことで、その数十分のあいだだけは、誰でも(俺でも)たしかに承認を得られる。しかしその時間は永遠ではない。永続的な承認という我々の悲願は達成できない。だが、永続的であるという一点について妥協できれば、ともかく承認は得られる。これは本当に重要だ。

どちらをとるか、それが問題だ。あくまで永続的な承認にこだわるのか、一時的な、ニセモノであることを知りつつも承認を得ようとするのか。妥協なんてしないですむならしないほうがいいし、「ここまできたのに、いまさら・・・」という本音もある。だが、ぎりぎりまで追い詰められているな、と感じたとき、そういう逃げ道もあるんだってことは、知っておいて損はない。

で結局何が言いたいのかというと

しんどくなったら風俗も悪くない。女の子はちゃんと優しくしてくれる。

*1:両手の指で数えられるくらい

*2:知ってる人は知っているあの店

俺は決して北方謙三氏の真似をしたかったわけじゃない

kagamiさんは先のエントリを誤解されていると思う。


いやあ、これ大賛成!!(^^)もっと、生身のSEX、メディアセックス問わず、門戸を開いた方がいい。
私のような意識がエロゲ世界と接続している人間にとってはメディアセックスの方が心身の満足感が
遥かに高いように感じますが(笑)、ただ生身のセックスで何がいい?ということを考えると、それは
ある種のゆとりが生身のセックスした後は持てるようになるということですね。これは言語化しにくい
ですが、敢えて言葉にすればゆとりとしか云いようがないですね。心の余裕というのをもたらす不思議
な効果がセックスにはある。多分、セルフ・コンフィデンス、自己経験に伴う自己信頼感情の充足が、
生身の(そして恋愛もしくは風俗といった形での合意の上での)セックスには伴うのだと思います。

いや、俺童貞だし。「ゆとり」も「心の余裕」も全然ないし。

「風俗は短期的な解決にはなりうる」で、俺が言いたかったのは、「なやんでしにますか、それとも風俗行きますか」ということだ。童貞苦に悩む非モテ男子の一人として、悩みすぎてもうだめだもうしのうと思ってるひとに、ちょっとまて、を言いたくて、あのエントリを書いた。

俺が風俗へ行くときは、もう限界ぎりぎりまで寂しさとかルサンチマンだとかを溜め込んで我慢して、そろそろだめだしのうとか考え出したときに、しぬくらいならまだ風俗へ行った方がましだと思って勇気を振り絞って、行く。携帯電話を握る手は緊張でぶるぶる震えるし、声はうわずって電話口でどもるし、ひざはがくがくするしで、それはもう一大決心をして、行っている。

行って楽しんでるかと言われれば、そりゃ全然楽しくないなんてことはないし、でもやっぱりうまくいえない罪悪感のようなものもある。「ちょっと遊んでいくか!がはは!」なんていう風に割り切っては考えられない。自分がそうだからこそ、「割り切って遊ぶ、だなんて無理だよ・・・」と思ってるひとに、「でもそんなにも思いつめるくらいなら・・・」という思いを伝えたかった。

犬山さんの言うことにも、納得はできない。


前に「非モテは病気の初期症状」みたいなことを書いたんだけど、それはもう事実で、彼みたく「不完全な承認」というグレーゾーンに気付くことができれば症状はだいぶ緩和されるはず。はっきり言って、彼女が居ようが彼氏が居ようが、それによって満たされる「承認」なんて絶対に不完全なんだから。そこに納得がいかないと「非モテ」という病理を悪化させることになる。

「不完全な承認もありだよねーそうだよねー」なんて楽観的には考えられない。100%がいいに決まってるしあくまで100%を求め続けるけど、「おれの人生では15%までしか手に入りませんでした。うつだしのう」っていってしんじゃうよりは、一時的にズルをして70%にして、しにたくなるきもちをやり過ごすのも、最後の手段としてはアリなんじゃないか、不完全でいいわけないけど、このどうしようもなくかなしいきもちをどうにかするためにはやむをえないんじゃないか、っていう。

「たかが童貞、たかが非モテ程度のことでしにたがるなんて」と、ひとは思うかもしれない。けど、本人にとっては本当に一番の大問題で、本当にしんでしまおうかと思うくらいの悩みなんだ。俺は最近では「さすがにしぬことはないよなあ」って思っているけど、もっと不安定で悩んでいた時期もあった。同じような悩みを抱えているひとは他にもいると思うし、そういうひとは風俗に行くなんてとても無理だと思っているだろう。そんなひとに、「どうせ勇気を振り絞るなら、生きるための勇気を出そうよ」と伝えたかった。