@kyanny's blog

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LL Future に行ってきた

寝坊した。「100年後」のパネルディスカッションの終わり頃についた。ひげぽんさんの話を聞きたいなあと思っていたけど、彼が喋ってるところは40秒くらいしか見られなかった。でもあとできっと動画が公開されるので改めてみたい。「開発者である自分が今手抜きをしたせいで、何千人何万人という利用者の時間を少しずつ奪ってしまうのではないかと考える」という話をきいて、そんなこと考えながら作るのか、すごいな、と思った。

お昼は中野駅まで戻ってウロウロして結局なか卯で食べた。平日とかわりばえしない。あと商店街の奥のほうのコーヒー屋で休んだ。 iPhone をチラ見した。

午後の部では、「フレームワーク」のパネルディスカッションは、けっこうとりとめもない感じだったなあと思った。これが LL 流の「ゆるふわ」ってことなんだろうか。

ひがさんの「フレームワークは枯れて安定してるほうがいいか、進化していくほうがいいか」という質問が、 7:3 くらいで安定派が多かったのは意外だった。コミュニティ主催のああいうイベントへ来るような人は、新しいもの好きで、新しくて便利なものを使って楽をしたりいい気分でプログラムがかけるならば学習コストは厭わないタイプばっかりなんじゃないかと思っていたけど、そうでもないらしい。仕事で使うから安定してないことには、って理由なんだと思うけど。

今になって、「では、著名なウェブアプリケーションフレームワークを安定性が高い低いという基準で一直線に並べたとして、どのフレームワークがぎりぎり「安定しているといえる」境目に位置すると思いますか?」という質問をしてみたくなった。ちなみに自分は「進化していくほうがよい」に挙手した。

ついでに、これは会場に質問されてはいないが、「自由度が高いほうがいいか、制限があるほうがいいか」は、どちらかといえば制限があるほうがいいと思っている。これは、言語仕様上の制約は少ないほうがいいだろうが、フレームワークの定める規約はあったほうが一貫性が保てるだろう、という考え。

あとやっぱ、 YAPC のあとで MobaSiF のソースコードをダウンロードしたとき、「XS とかよくわからないけど、なんとなくこれがフレームワークだと思えない」とぼんやり感じていたのだけど、今日「既存のプロジェクトをコピーしてきて不要部分を削ってから改めて書き加えていく」とか「プロジェクトごとに使ってるフレームワーク自体も独自拡張がなされていて別物」とかいう話を聞いて、ええーそれは嫌だなあ、使いたくないなあと思ってしまった。俺が前の仕事で使っていた、20個の独立した CGI スクリプトがテキストファイルを読み書きしながら画面や機能を提供して成り立ってる「システム」の延長線上にあるものに思えてしまう。機能のあらゆる面でそれよりずっと優れているので比較するのは失礼だとわかっているのだけど、考え方がパラダイムシフトしていないというか。フレームワーク層とプロジェクトごとに別に書く必要があるロジック層が分離してないというか。自分はそういうものはもう触りたいと思わないな、と。分離しているものをすでに知ってしまったから。

「アート」のセッションは、聞いたことない言語?なのか?の話っぽかったのであんまり興味がもてなくて、 Macbook で Firebug を開いて Javascript の勉強をしていた。でもたまにチラチラみて、なんかものすごいなあとか思ったりした。

将来、10年20年くらい後になると、ああいう風になんかものがリアルタイムに動き回っているのをみつつプログラミングして変えていく、っていう環境を使うのが当たり前になったりするんだろうか。もちろんああいうのが向いてるものも向いてないものもあるだろうからすべてがああなるものではないのだろうけど。近未来だなあと思った。

Xcode をちょっといじってるときも、 GUI でオブジェクトって名前の箱状のもの(まさしくオブジェクト)をドラッグして別のウィンドウにドロップして、インターフェースのウィンドウ上に置いてあるグラフィカルなパーツとの間にラインを結んでどうたら、みたいな操作をするときに、普段自分が仕事なり遊びなりでやっているプログラミングとかその環境とかけ離れすぎていて不思議な気持ちになるけど、それがもっと高度になっていくとああなるんだろう。果たしてこの先自分が、そういう高度な環境に適応できるのかだろうか、ということを考えた。

「ゴルフ」の話は、短さ以外の視点からコードを評価する試みがたくさん盛り込まれていて、暖かみを感じるセッションだった。

西尾さんが自己紹介で「LL Ring でネットワーク対戦じゃんけんを〜」といっていて、確か記憶が確かならば LLDN で「Python で書かれた電卓に新しい電卓をもう一個作る機能をつける、のをライブで」という発表をしていたのも西尾さんだったはずで、それじゃなくてじゃんけんのほうを言うということはきっとそっちは電卓よりさらにすごかったのだろうなあと思って、行けばよかったなと思った。

あの電卓が増える様子をみたのが Python で書かれたプログラムの動いてるところを見た初めての経験だったので、「Python は GUI に強い」という印象があれ以来ある。

「古い言語、新しい言語」のセッションは、これまたコアで「なんかすごい」と思う以上の理解はできなかった。小林さんが発表しているのは Shibuya.js とかで何回か見たことがあって、見るたびにすげーなあと思ったものだけど、今日みたのもやっぱりすげーなあと思った。

雨が強く鳴りそうだという予報もあったので、ライトニングトークはみずに帰った。 T シャツを1000円で売っていたので買った。早めに会場を出たおかげで、 L サイズだが買うことができた。