アカデミーほか多数の映画賞を総なめにした作品。おれはこういう静謐な映画は割と好きだと思うので是非連休中に観たかった。奥さんは「暗そう」と観たがらず、観る時間の捻出にやや苦労した。
登場するノマドたちにはなんとなく二種類いて、目的がはっきりしている人たちとそうでない人たち。「放浪すること」が目的だったりもするけど、目的があるひとには強さがある、という描かれ方だったように思う。
主人公には当初その目的が希薄で、ノマドという生き方に選択的とは言えなかったがゆえに、どこか他のノマドたちと混じりきれなさがあった。交流を経て、目的に自覚的になっていき、さてこれから彼女はどう生きるのか、というところで終わる。余韻があるともいえるし、中途半端ともいえる。
アマゾンの倉庫で働くシーンは、なるほどこれがアマゾンの倉庫か…というよくわからない圧倒的さがあった。風景の映像は綺麗で、アメリカ中西部の砂漠へ行ってみたくなった。海無し県で生まれ育ち大人になってからは海も山も遠い都市部で暮らしてきたので地平線とか水平線に憧れがある。