@kyanny's blog

My thoughts, my life. Views/opinions are my own.

Assist Lesson

ミスターヒップホップと。夕方に予約リストを開いたら夜に一枠だけ空いてたので久々レッスン。

「よう、どんな調子だい、この...えーと...水曜?の夜は」いい気分だよ、先月はとても忙しくて、月末あたりはちょっと燃え尽き気味だったんだけど、先週後半くらいから何故か新規問い合わせ数が減ってて、一息つけてるんだ。「問い合わせケースが多いのか?」うん、その前の月と比べるとだいぶ多かったし、同僚が五月から育児休暇をとっていて人手不足だけど人員補充がなくてね。日本語でサポートを提供する仕事内容だから、日本人の数が少ないアメリカの会社だと補充が効かないんだ。「しかししばらくぶりだな、何か面白いことあったか?」うーん、面白いかどうかわからないけど、TOEIC テストを受けた話はしたっけ?「いや、聞いてないかな?」かもね、七月に Listening & Reading のテストを受けて、結果はこれ(と手元の certificate をカメラ越しに見せる)「920!スゴーイ!オメデトーゴザイマス(日本語で言ってくれた)Reading 470, very good, Listening 450, very good」うん、これは満足してる。受ける前の目標は 800 だったから、結果を見て驚いたよ。で、九月に Speaking & Writing のテストも受けて、結果はこれ「Writing 180, very good! Speaking 140, not bad」ありがとう、これが初めての受験でどちらも 150 を目標スコアにおいてたけど Speaking が届かなくて、それでちょっとやる気を失っちゃってね、と言ったらここからミスターヒップホップお得意の語りが始まった。これこれ、こういうのを待ってたんよ。

「なあ、ときには悪い結果が出ることもある。けど、それは逆にいいことなんだ。人によっては 140 というスコアに満足するか、気に留めないかもしれない。でもお前は 140 に満足せず上を目指してる。それはとてもいいことだ。多分多くの日本人はお前のスコアを見たら、すごくいいスコアだと驚くと思うぜ」ありがとう、結果を見たときは予想より低くて落ち込んでビズメイツのレッスンも数日休んだんだけど、その間に自分に言い聞かせたよ、L&R と比べて S&W を受ける人数はずっと少ない、英語学習に真剣な人だけが受けるテストなんだから自分のスコアを知って基準にできるだけでも珍しいことなんだ、とね。その後平均点を調べたりしてたが、それはすぐには見つからなかったみたいだが「日本の TOEIC Speaking の平均点は 140 よりずっと低いと思うぜ」とフォローしてくれた。

その後、「I have a story to tell you. 高校の数学教師が教室に入るなり黒板に 9 X 1 = 9, 9 X 2 = 18, 9 X 3 = 27, と書き始めた。生徒は黙って見ていた。教師が最後に 9 X 9 = 80 と書くと、生徒は笑い出した。ブーイングするものもいた。教師は言った。私は今日君たちにレッスンをしにきた。一つ、私は数学の教師だが完璧ではない、間違えることもある。一つ、君たちは私が間違えたとき笑ったが、その前に正解を書いてる間は褒めたり拍手しなかった。なぜ間違いにだけ注目する?なぜ他のもっと多くの成功に注目しない?おれはこの話を数年前に聞いて以来、落ち込んだりやる気を失ったときに思い出している。具体的な例を挙げよう。会社を作った話はしたよな。経営はうまくいってない。売り上げは伸びてはいるけどそれ以上のペースで支出してる。赤字だ。おれは金を失い続けている。そのことばかり考えて、ネガティブなことにだけ注目してしまいがちだ。でも良いことに目を向けるとどうだ。十人の従業員を雇ってる。十分良い報酬でだ。フィリピンの minimum wage(最低賃金かな?)は月 210 ドルだ。おれの会社は従業員に月 350 ドル(385 ドルだったか?)払ってる。彼らはこの仕事にありつくまで月 150 ドルしか稼げていなかった。最低賃金以下だ。彼らはおれのところへ来て、機会を与えてくれてありがとうという。一人は、今日は私の息子の誕生日なんです、去年はレストランでヌードルを食べました、今年は家族でマクドナルドに行けます、ありがとうと言った。おれは泣きそうになった。おれたちにとってはマクドナルドはありふれたものだ。でも彼の家族にとっては、誕生日のお祝いの食事をする特別な場所なんだ」感動的な話。君の会社は従業員の人生と社会に良い影響を与えているんだね!「赤字を垂れ流しながら、な」と笑いで落とすのも忘れていない、相変わらずウィットに富んだミスターヒップホップだった。

最後にもう一度「ネガティブなことだけに注目するな、ありふれていてもポジティブなことも忘れるな」とおさらい。「お前はこれまでに何件のケースを解決した?数千くらいか?そのうち何件、上司や顧客から、よくやったと褒められた?悪いことがあるとそのことばかり考えてしまう。低い顧客満足度スコアを受け取ったときとかな。でも、他の 90% のケースは良い満足度なんだ。それを思い出せ」その通りだね、少ないネガティブにだけ注目して多くのポジティブに注目しないのはアンフェアだね「ただ、な。多くのポジティブは、expectations だからいちいち褒められたりしないんだ。少ないネガティブは、expectations に満たないから目を引いてしまうんだ。世の中はそういうもんだ」life is hard, だね「そう、life is hard. but it is!」と、最後はなんだか達観した領域にまで到達して見事に印象的な雑談でレッスン時間を終えた。「悪い、レッスンできなかったな」いーや、君の話を聞くのはいつもとても楽しい、本当にありがとう「じゃ、またな。いい夜を」そっちもね!

レッスン終了、Bizmates Program を彼とやっても盛り上がって面白かっただろうけど、なんでもいいや。会社の経営が上向きになることを祈ってるよ。