メキシコの麻薬カルテルとアメリカの戦いを描いた映画、と一言では語れないくらい割と入り組んだ話。
おもしろかった。かなり好きなタイプの映画だった。重いテーマ、適度に暗くて割り切れないストーリー、ところどころに散りばめられた陰謀、そして何より風景映像の美しさ。メキシコの砂漠地帯や市街地はインスタで加工した写真みたいに白っぽくてストーリーとあまりにも不釣り合いに明るいし、延々と広がる荒涼とした大地を覆う一面の夕焼け空そして雲のシーンが何度か出てきたがどれも美しかった。特に良かったのは、主人公たち特殊部隊とメキシコ警察の乗るピックアップトラックがメキシコの市街を走り回るシーン(警察車両の屋根の上に弾倉ジャラジャラのマシンガンが載ってるのが物騒で良い)と、地平線に沈んだ陽の最後残り僅かな光で地上を徒歩で移動する特殊部隊のシルエットが浮かび上がるシーン。
CIA は怖い組織だ。というか諜報機関というものはすべからく怖い組織なのだろう。麻薬カルテルも怖い組織だが、暴力の残虐性という意味での怖さと、陰謀の狂気性という意味での怖さは質が違う。
謎のコロンビア人アレハンドロはちょっと「レオン」っぽさを感じた。