@kyanny's blog

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『異文化理解力』 - 世界線航跡蔵で特に面白かったところ。コミュニケーションスタイルの違いについて。

もっとも難しいのはサウジアラビアのような他のハイコンテキスト文化とのやりとりで、両者とも遠回しにしか言わないのに相手の行間を読めず、お互いに何も伝わらない可能性がある。しかも、両者ともローコンテキストなやりとりには違和感を感じる。

この場合には差異を明確にしてコミュニケーションの仕方を話し合うしかない。ところが、こうした解決の仕方それ自体がローコンテキストなので、ハイコンテキスト文化出身者はこれを相互信頼の欠如と受け止める可能性がある。

強調した部分を読んで、そうなんだよなあとちょっと笑ってしまった。

輪をかけて面白いと思ったのが、続く、

そこで、本書に書かれているような困難を避けるという目的を提示してから、この話し合いは相手を信用していないという意味ではないということを確認してから進める必要がある。

という部分で、ローコンテキストなコミュケーションスタイルが誤解を招くのを防ぐために、より一層ローコンテキストなコミュニケーションをする、という解決方法が、いかにもローコンテキストだ・・・と妙に納得してしまった。

「異文化理解力」はこうした違いを「優劣ではなく、ただ違うだけ」と述べている本だと理解しているけど、個人的にはローコンテキストなコミュニケーションスタイルが大好きかつ大得意だし、あえて優劣をつけるなら、ローコンテキストなコミュニケーションスタイルの方が優れているとすら思う。より応用が効き、広範囲に適用できるスタイルだからだ。


『異文化理解力』 - 世界線航跡蔵には他にも面白い部分がいくつかある。「異文化理解力」自体がとても面白い本だから、題材が良いという点はあるが、軽妙で読みやすい文体であること、独特な視点を持っていることなども面白さの理由だと思う。