@kyanny's blog

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異文化を学ぶことは自分の文化を学ぶことでもある

Bizmates Program: Level 4 Rank A Lesson 19: India の例文は「調達計画の遅れに対して何も手を打たないインド人に苛立つ日本人 vs 不可抗力を受け入れない日本人をナンセンスだと断じるインド人」という構図で、読みながら日本人の意見に大いに肩入れしたのだが、ふと「おれってこんなにきっちりしてないと気が済まない性格だっけ?」と気づいた。

そんなはずはない。時間にルーズだし、面倒くさがりだし、多くのことに対して「なるようになれ」という態度だし、むしろインド人に親近感を覚えてもよさそうなものなのに、インド人の言い分を読むとイライラした。

このギャップに気づけることが、異文化について学ぶ意義だと思う。自分がいかに「自分の」文化から影響を受けているか、それは自分以外の文化と比較しないとわからない。おれには「あらゆる場合を想定して対策を用意する」日本人のやり方は当然のことと感じられた。これは、少なくともインド人の一般的な考えとは異なるのだろう。

違いやバイアスを知ることは重要で、異文化理解を促す学習コンテンツもそこを強調するが、理解したうえでしかし妥協できないこともある。そういう場合にどうすればいいかの解答はどうやらなさそうで、「対話を重ねて解決策を模索する」しかないのだろうけど、たとえその結果として決裂しても、誤解に基づいたままの決裂よりは過程も結末もずっと良い、というのが最後の妥協点だととらえるよりないのだろう。