@kyanny's blog

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身近なハッキングについてふと思ったこと

昨夜ドライブ中にFM Nack5*1の「アニメロミックス」とかいう番組*2を聞き流していたら、パーソナリティがリスナーからのお便りを読むときに「さいたま市の●●(名前)、呼び捨て希望」としばしば言っているのに気がついた。

どうやら、その番組は女子高生とかがメインリスナー*3らしく、デフォルトでは「上尾市の××さん(ちゃん)」と呼ぶのがならわしらしい。しかし、女子高生には女子高生なりの考えがあるのだろう、たぶんパーソナリティは彼女らにとっては憧れの対象で、そんな高橋直純(パーソナリティ)*4に自分の名前を呼び捨てにされるということは、敬称つきで他人行儀に呼ばれるよりもうれしいことなのだろう。

で、ふと、「これって一種のハッキングじゃね?」と思ったのだ。番組内でおそらく、「呼び捨て希望と明記すれば名前を呼び捨てで読みます」とアナウンスしたことはないだろう。最初は誰もが普通に名前を書き、敬称つきで呼ばれ、はがきを読まれる。それが当たり前だったはずだ。そこで誰か、ちょっと頭のいいやつが、「呼び捨て希望」と一言明記して、明文化されてはいないが当たり前のものになっていたルールを変えにいった。そして変えた。名前は敬称つき、というルールをハックして、自分が得をするようなルールを作ってしまった。

当然それはこの番組が最初ってわけじゃないだろう。もっとずっと昔、どんな番組かは知らないが、はがき職人がそうやって既存のルールをハックして、パイオニアとなったんだと思う。しかし、それを知っていて真似たというわけでもないだろう。そういう風に、ルールを破るのではなく、ルールですらないようなところに手を入れにいく、そういうことを考えるやつはどんな層にも一定数いるということだ。

そんなことを、和菓子:アニメ包装袋が人気 東京・秋葉原の「松屋」というニュースを読んで思い出した。

ところが、昨年末に街をかっ歩するアキバ系の男性から自作のアニメをプリントするよう注文を受けた。これをきっかけに、新たな注文が舞い込むようになった。オリジナルアニメの包装紙の評判が、若者の間で口コミで広がったためだ。繰り返し注文に訪れるリピーターもいる。既に300個以上の注文があったという。

こいつなかなかのハッカーだな、と感心した。これだって全くルール違反でもなんでもないけど、普通誰も和菓子の包装紙にアニメ絵をプリントしてやろうとは考えないものな。ご当地もので最初からプリントされた状態で売ってるのはあるけど、オリジナルをつくらせようというアイデアはなかなか見事だ。すでにあるいくつかの手法をうまくミックスさせて、組み合わせによって新しいものを得る。これもハッキングと呼べるんじゃないだろうか。スーパーがつくかは微妙だけど、日本にもハッカーはいっぱいいるんだなあと思った月曜の朝でしたとさ。

*1:関東ローカルのFMラジオ局。周波数79.5MHz

*2:調べてみたら正確には「Trouble Maker」という番組名らしい

*3:なぜなのかはさっぱりわからない

*4:調べてみたらどうやら声優らしい