@kyanny's blog

流行はつねに前進していく。そして、精神の偽りの自由が絶えずせり上がっていく - ロマン・ロラン

超昂天使エスカレイヤー

面白い。エロゲーの中でも泣きゲーと呼ばれるそれらは練りこまれた一個の文芸作品としてのストーリーが売りらしいが、気分がのらなければ星新一のショート・ショートですら読んでる途中で飽きてしまう俺が大して面白おかしくもない膨大なテキストを他にいくらでも使いようのあるパソコンのモニタで読み続けられるわけがない。わけがないのでエロゲーは数えるほどしかプレイできていなかったが、以前から主に CG のエロかわいさが気になっていたこのゲームは、やはりゲーム内時間を一日進めると飽きてしまうが、それでもずいぶんちゃんと遊べているしテキストも読めている。

「戦う美少女戦士」というテーマは俺が子供の頃も特撮なりアニメなりで存在している普遍的なもので(美少女仮面ポワトリンやセーラームーン)しかし自分の年齢があがるにつれてそれらのコンテンツも対象年齢をあげていったわけではなく、その結果「お子様向けのアニメをいい年した大人の男が見ているのはキモイ」といわれたりいわれなかったりして、そんな消費者側の変容を意識してかプリキュアのターゲットには企画段階から「大きいお友達」が含まれていたという話は有名だが、お子様向けでないヒーローヒロインものというのは、ただの勧善懲悪ではなく悪には悪なりのやむをえない理由があったりする複雑なものが主流になっていたと思う。

そんな中でこのエスカレイヤーを遊んでみて感じたのは、「ただの勧善懲悪も面白いじゃん」ということだった。悪の怪人の言い分はひたすら支離滅裂で、正義のエスカレイヤーの言い分はどこまでも正論で、疑問の付け入る隙もない。それでいてエロが主体なのだから、どこか間抜けに見えるのも当然で、むしろ随所に間抜けなおバカさがちりばめられている。

例えば、一度敗北を喫した怪人に再挑戦するとき、当然一度勝っている怪人は「性懲りもなくやってきたな」とかナメきっているのだが、それに対する切り返しが「勝つまで戦いは続きます!性懲りも肩こりもありません!」だったりする。さらっと言うけどこれってひどいよなーと。勝つまで続けて勝ったら「正義の勝利です!」って言うんだから、そりゃ正義が勝つに決まってるぜーと。なんというか、正義・悪という尺度じゃなくて誠実・不誠実という尺度で考えたら、勝負の機会は均等であるべきで、三戦目で一勝二敗だったら怪人にも再チャレンジを認めるべきじゃないかとか思ったりもするが、そういう配慮はしなくてよしという立場を正義はとり続けてきたのだから反論すべきではないらしい。で、そういう大人が真面目に考えると実は矛盾してね?と思えるせりふを少しでも軽いものにしようと思ったか思わないかは知らないが、性懲りに肩こりで駄洒落を絡ませている。このへんのおバカな感覚はとても好きだ。

調教もので定評のあるアリスソフトでは、大悪司が評判がすこぶる良いらしいのでいずれ遊んでみたいと思うが、クリアまで続くかどうかわからないけれど当分はエスカレイヤーを楽しく遊べそうだ。