@kyanny's blog

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花沢健吾氏の漫画はどうにも好きになれない

俺は非モテ界隈で割と評価が高いらしい花沢健吾氏の漫画がどうにも好きになれず、というかはっきりいって嫌いであり、外園昌也の次くらいに嫌いな漫画家といっても過言ではないが、いったい何がそんなに気に入らないのかについて先週の「ボーイズ・オン・ザ・ラン」を読んでからずっと考えていて、なんとなく答えみたいなものが思いついたので書いておく。

まず「ルサンチマン」だが、これを俺はたまーにスピリッツを買ったときに拾い読みする程度にしか読んでいないのだが、「お前がどんな風にエロゲーでオナニーしてるかなんて興味ねーよ」という感想しか抱けなかった。そういう話ではないという方は何巻を読めばいいか教えてください。

で、「ボーイズ・オン・ザ・ラン」だが、先週の「ボーイズ・オン・ザ・ラン」は「好きなあの子をヤリ捨てした憎きモテ男を殴りに行ったらモテ男の子分にまでヤられてたのが発覚、キレて子分を殴る」というとんでもない露悪的な話だったわけだが、それを受けた今週は「肝心のモテ男と対峙するも相手のペースにはまり右往左往の末袋叩きの予感」と、子分やっつけた時点でバーストタイム終了で結局モテ男の引き立て役にされてすごすご帰るハメになるルートかよみたいなガッカリを予感させる話だった。

なんかこの、話の展開からして、「『童貞の僕だけどこんなに頑張りました!』っていう話は売れるから描け」といわれて描かれたような、いやーな感じがしてならない。それ描けって言ってる編集者はどうせモテてるんだろみたいな。これけまらしいって言うんですかね。違いますかね。違いますか。

なんというか、この話って悲惨な童貞の物語だけど、「他人の」悲惨な童貞エピソードなんて悪趣味な話を好んで聞きたいわけがない。だって「人生劇場 主演・俺」を演じ続けて二十余年、そんな悲惨な童貞エピソードなんて誰だってひとつやふたつはもっている。自分が体験したことよりリアリティのある作り話なんてないんだからわざわざ物語として摂取する必要はない。つまりあれを必要とする人間は悲惨さを体験してない。体験してないのにわざわざ悪趣味なものを摂取するのは悪趣味だなあと思うし、それをわかって売りつけるのも悪趣味だなあと思う。

要するに童貞コンテンツを売り物にしてニヤニヤしてる奴らと童貞コンテンツを買ってニヤニヤしてる奴らのことを考えてしまい、それがむかつくので花沢健吾氏作品は好きになれない。

みたいなことを考えながら毎日生活しています。