@kyanny's blog

自分の不名誉になるような考えを最初に大胆に表明することは、自立への第一歩となる - ニーチェ ドイツ哲学者

敬老の日と秋分の日は重なるか?


2006年9月16日



敬老の日は、9月15日〜21日のうちの月曜日らしい。
21日と言えば、秋分の日付として近い将来にありそうだ。



法律上どう解釈されるのかは分からないが、
9月21日が秋分になり、月曜日だと、敬老秋分の日という2重休日になる。


あくまで推算で、絶対ではないが、
どうも、2876年 9月21日に発生し、
次に、3200年代に4回あって、3300年以降はますます増えると思われる。



以下では、このしくみをおおざっぱに説明してみる。


回帰年とは


「回帰年」とは、簡単に言えば「季節の移り変わりの上での1年」、
要するに、地球が太陽のまわりを1周する所要時間のことだ。


一方、カレンダーの1年は365日または366日である。



日というのは地球の自転周期で、年というのは地球の公転周期で、両者はまったく無関係の現象なので、
365や366といった整数できっかり割り切れるわけもなく、
現在の暦では、
うるう年をうまく混ぜることで、平均してカレンダーの1年が「回帰年」とほぼ一致するように工夫している。


それでも完全には一致しないし、平均してほぼ一致していても、
それは平均であって個々の例ではかなりばらつきがある。
そのため、現実の季節の変化に関連するイベント(春分・秋分など)のタイミングは、
計算上のカレンダーの日付の上を、複雑に移動することになる。


では、この変動パターンを具体的に調べていこう。




イベントは毎年6時間ずつ早まり…


春分から次の春分(または秋分から次の秋分)の周期である回帰年は、最近の値では、平均して、
約365.24219日なので、春分の時刻は、前の年の春分の時刻に比べて:



* 365日の年では、5時間49分(365.24219-365日)早まり

* 366日の年では、18時間11分(365.24219-366日)遅れる




上記は平均値で、実際には細かい変動がたくさんあるが、
平年には毎年6時間弱、遅れるのがミソだ。
そして、うるう年には約18時間巻き戻る。


秋分の推算値 日本時間
2004年 9月23日 1時29分52秒2
2005年 9月23日 7時23分07秒2
2006年 9月23日 13時 3分21秒9
2007年 9月23日 18時51分16秒3

2008年 9月23日 0時44分30秒6
2009年 9月23日 6時18分36秒0
2010年 9月23日 12時 9分07秒0
2011年 9月23日 18時 4分32秒8

2012年 9月22日 23時48分54秒6



ポイント: 春分など、2月29日より後の節季のタイミングは、毎年約6時間ずつ遅れる。
ただし、うるう年では約18時間早まる。


6時間×3回遅れて、18時間巻戻るので、4年単位では、だいたいつじつまがあっている。
このだいたいOKのカレンダーをユリウス暦という。

ユリウス暦のずれ方


4年を365x4+1=1461日に固定した場合、回帰年の4年は
365.24219×4=1460.96876日だから、カレンダーが4周するより前に春分は4周し終わっている。
4年を1レースとすると、春分や秋分のタイミングは常に

1461-1460.96876 = 0.03124日 = 45分

ずつ先行する。
そのまま放置すると、春分・秋分は、4年ごとにカレンダー上を若い日付の方向に徐々に移動していく。
(うるう年で巻き戻しを行うので、うるう年において、カレンダー上最も若い日付になりやすい。)



2004年 9月23日 1時29分52秒2
2008年 9月23日 0時44分30秒6
2012年 9月22日 23時48分54秒6
2016年 9月22日 23時21分07秒1
2020年 9月22日 22時30分28秒9



ポイント: ユリウス暦では、節季のタイミングは、4年ごとに30〜60分ほど早まる。



「うるう年で巻き戻し」をするのだが、巻き戻しの回数が理論上必要な回数よりちょっと多過ぎるため、
少しずつ巻き戻り過ぎていく(日付が早い方にずれていく)。
これを正すため、現在のグレゴリオ暦は、ユリウス暦に修正を加えて、
必ずしも4年に1回巻き戻さず、400年に97回巻き戻している。
うるう年の回数をちょっとだけ減らしたのだ(100で割り切れて400で割り切れない西暦年数は平年とする。
つまり1900、2100、2200、2300、2500、2600年などはユリウス暦ではうるう年だがグレゴリオ暦では平年)。


グレゴリオ暦のずれ方


グレゴリオ暦では、



* 100年が36524日である「短い」世紀3回

* 100年が36525日である「長い」世紀1回




という順序の、繰り返しになる。20世紀は1日お得な「長い」世紀だった。


今までの議論と同様、春分・秋分のタイミングは、「長い」世紀ではカレンダーがもたつくために遅れ、
「短い」世紀ではカレンダーが1日短いので巻き戻る。
しかし、この400年周期の壮大な作戦も完璧でなく、現在の回帰年の長さを仮に定数として、
400年につき、約3時間、巻き戻り過ぎてしまう。実際には回帰年の長さそのものがだんだん短くなるせいもあって、
400年ごとの巻き戻りは3時間より大きい。



2000年 9月23日 2時27分35秒6
2400年 9月22日 20時39分57秒0
2800年 9月22日 14時27分12秒5
3200年 9月22日 6時36分51秒2
3600年 9月21日 22時10分53秒2




ポイント: グレゴリオ暦で測ると、節季は400年ごとに数時間ずつ早まる。
グレゴリオ暦には、この400年問題に対応する仕組みがない!



400年で数時間ならまあまあ良いようだが、実際には、世紀の変わり目の調整以外、グレゴリオ暦はユリウス暦と同じシステムなので、
4年ごとに1時間弱、ずれる。そのずれがたまった頃、100年に1度くらい調整するが、調整の直前には、
かなりずれが蓄積している。1世紀の中で誤差が最も蓄積しているのは、
下二桁が96の年であり、その中でも400で割って96余る年が誤差最大、次いで400で割って196余る年…となる。



2096年 9月22日 7時55分40秒6 : Y≡96 (mod 400)
2196年 9月22日 12時19分32秒3 : Y≡196
2296年 9月22日 17時13分36秒5 : Y≡296
2396年 9月22日 21時40分14秒1 : Y≡396

2496年 9月22日 1時54分57秒1 : Y≡96
2596年 9月22日 6時32分22秒4 : Y≡196
2696年 9月22日 10時46分49秒1 : Y≡296
2796年 9月22日 15時 3分08秒6 : Y≡396

2896年 9月21日 19時31分24秒1 : Y≡96
2996年 9月21日 23時25分46秒8 : Y≡196
3096年 9月22日 3時30分44秒3 : Y≡296
3196年 9月22日 7時33分57秒8 : Y≡396

3296年 9月21日 11時17分44秒0 : Y≡96
3396年 9月21日 15時27分17秒8 : Y≡196
3496年 9月21日 19時 8分31秒7 : Y≡296
3596年 9月21日 22時57分38秒6 : Y≡396




あくまで推算値だが、下二桁96の年では、2896年に秋分の日が9月21日になり、
以降 Y≡96 (mod 400) の年は、しばらく9月21日が秋分となる(そのうちさらに9月20日、19日…とずれこむ)。
Y≡196 (mod 400) の年も2996年から同様になり、3496年、3596年には、それぞれY≡296, 396の年も21日秋分に陥落する。
特に3232年以降は、うるう年は連続して21日秋分となる。3265年には平年にも21日秋分が発生し、
やがて9月21日が秋分なのが当たり前の時代になる。



2000〜3300年、日本時間で9月21日が秋分となる年


全数検索していないのでこれ以外にもあるかもしれないが、少なくとも、以下は該当する。



<2896群> 6回
(2872年 9月22日 0時 9分02秒2)
2876年 9月21日 23時20分51秒1 = 月曜日
2880年 9月21日 22時30分57秒5
2884年 9月21日 21時37分36秒7
2888年 9月21日 20時50分19秒2
2892年 9月21日 20時 7分09秒8
2896年 9月21日 19時31分24秒1

<2996群> 1回
2996年 9月21日 23時25分46秒8

<3296群> 27回
(3232年 9月22日 0時21分14秒8)
3236年 9月21日 23時26分59秒1
3240年 9月21日 22時33分51秒9
3244年 9月21日 21時59分27秒3
3248年 9月21日 21時 9分34秒6 = 月曜日
3252年 9月21日 20時25分43秒0
3256年 9月21日 19時17分04秒9
3260年 9月21日 18時41分44秒9
(3261年 9月22日 0時24分34秒6)
3264年 9月21日 17時55分50秒5
3265年 9月21日 23時49分22秒7 = 月曜日
3268年 9月21日 17時14分30秒9
3269年 9月21日 22時52分12秒3
3272年 9月21日 16時 9分09秒8
3273年 9月21日 22時 1分39秒8
3276年 9月21日 15時30分05秒5 = 月曜日
3277年 9月21日 21時 9分42秒9
3280年 9月21日 14時34分30秒6
3281年 9月21日 20時27分10秒9
3284年 9月21日 14時 0分47秒8
3285年 9月21日 19時45分26秒0
3288年 9月21日 13時 5分58秒7
3289年 9月21日 18時53分14秒3
3292年 9月21日 12時14分49秒6
3293年 9月21日 17時57分06秒6 = 月曜日
3294年 9月21日 23時44分28秒4
3296年 9月21日 11時17分44秒0
3297年 9月21日 17時 8分47秒9
3298年 9月21日 23時 6分51秒5




このように、9月21日が秋分であることは、長期的には少しも珍しくなく、
従ってまた、約7分の1の確率で、21日が秋分+敬老の日となる。


制度が変わっていなければ「秋分と敬老の日が重なってしまう、どうしよう」と悩むことになる2876年 9月21日まで、
人類が平和で幸福に存続してもらいたいものだ。



注意


上記のデータは、あくまで推算値であって絶対的なものではない。
計算間違いの可能性は別にしても、回帰年の長さは必ずしも完全には予測できないし、計算誤差もある。
イベントの時刻が深夜0時の前後に見込まれる場合は、
わずかの計算誤差より、むしろ、
うるう秒の入り方で、前後どちらの日付になるか変わってしまうことがありうる。
うるう秒は、実際の地球の自転を観測して分かるナマモノで、将来については正確には分からない。


計算されている時刻の精度は、
基本的には±数秒程度であり、
未来のうるう秒の推定がめちゃくちゃ狂っていなければ、少なくとも分まではだいたい正しいはずだ。
ただし天文定数に突発的変動があった場合(太陽系内に重い物が飛び込んでくるとか、
未来人が何かの都合で小惑星を人工的に移動させたりした場合)は、この限りでない。