危うく寝坊するところだったが最初のセッションの十五分前に業者から電話がかかってきて起きられた。
Ruby meets WebAssembly - RubyKaigi 2022 ★★★★★
とても面白かった。見る前は特に関心もなかったが、見て wasm への関心が高まった。まだ整理・消化し切れてないが、これを機に wasm を触ってみて理解を深めたいと割と本気で思った。実際、ruby.wasm をインストールして動かしてみたりもした。
button.addEventListener "click" do |e| ... end
のように、Ruby のコードで JavaScript の DOM API とかを書けるのが、Ruby 的には自然なんだけど奇妙で不思議な感じがした。
実装上の問題を前にして、闇雲に対処したり諦めたりせず、冷静に分析して不足している要素を論理的に見極めた上で最適な解決方法を採用し、実際に解決してみせる、というアプローチも素晴らしかった。具体的な内容は自分には難しすぎて理解できなかったが。
こういう意欲的かつ発展性のある仕事が Ruby Association の助成によって行われたというのも良いことだと思う。
Ruby Archaeology: Forgotten web frameworks - RubyKaigi 2022 ★★★☆☆
古の忘れ去られたウェブアプリケーションフレームワークを次々紹介していく、みたいなのを期待してたらちょっと違った。最初にライブラリとして CGI が紹介されて Perl のことにも少し触れてたのにほっこりした。CGI.rb でのネストした HTML 出力のコードは昔仕事で結構使った CGI.pm の API と良く似ているように見えて懐かしかった。
nitro, Ruby Waves は知らなかった。Ramaze は知ってる!昔ライトニングトークか何かをしたこともある。
英語トークなのでリスニングの上達具合を測るためにも聞いた。7、8 割は聞き取れたか、と思ったが改めて思い出すと 6 割程度だったのかもしれない。大意は掴めたし話にもついていけたが細かい部分は短いフレーズ一つぶんわからなくて飛ぶ、みたいなこともあった。
Types teaches success, what will we do? - RubyKaigi 2022 ★★★★☆
伊勢海老カレー?もらいそびれた?というので混乱・動揺して前半は集中を欠き、ちゃんと聞けなかった。
gem_rbs_collection というプロジェクトへの貢献方法の丁寧な説明。部分的な貢献でも受け付けてもらえるというのは敷居が低くて良い。
こういう、コミュニティへの貢献の敷居を下げるトークはとても良いと思う。
Tools for Providing rich user experience in debugger - RubyKaigi 2022 ★★★★☆
Chrome DevTools のリッチな UI を利用して Ruby コードをデバッグできる、これだけで十分便利になると思う。デバッガの中ではおそらく大抵の人が最も使い慣れてるだろうし。
VS Code 拡張として使える History Inspector もとても便利そう。まさにこういうの欲しかった、という機能だと思う。Object Inspector は、使い所がピンと来なかった。
これも若くて優秀な人がやっているプロジェクトで、自分の「何も成し遂げてなさ」が少し哀しくなった。
Towards Ruby 4 JIT - RubyKaigi 2022 ★☆☆☆☆
A/B どちらのトラックもあまり関心が持てないテーマで、どうせなら英語トークを聞くかと選んだが、いろいろな意味で合わなかった。
プレゼンのスタイルに良し悪しもないので本当にただの個人の感想だけど、話者が動きすぎで画面の一部が始終左右にスクロールし続けるのがノイズに感じた。
この人はおれの 10 倍くらい英語を流暢に喋っていると思うのでどの口が言うんだという話だが、やはりジャパニーズアクセントは聞けばわかるなあというのと、今回初めて思ったこととして「英文の組み立て方が日本人の英語っぽい」という印象を受けた。あまりピンポイントで例示できないが、I want you to ... みたいな表現を多用する感じ、というか。というのもおれ自身がこういう表現で英文を組み立てて喋ることが多いからで、なんかレベルの差はあれど根っこの部分に共通点がありそうな気がした。それに気づけたのは自分の英語力が向上した証左かな、とも思った。
途中で日本語で冗談を言ったあとしばらく日本語でトークが続いて、本人が日本語を喋ってることに気付いてなくて、少しして突然気付いて英語に戻した、という不思議な出来事を目撃した。そんなことありえるのか。帰国子女とか、マルチリンガル環境で生まれ育った人なら「混じっちゃう」ことってありそうな気もするけど(この人がそういうバックグラウンドの持ち主かどうかは知らない)。あと、その日本語ジョークはなんというか、2022 年ですよそのセンスは時代錯誤でしょう、と思った。
TRICK 2022 (Returns) - RubyKaigi 2022 ★★★★★
面白かった。技巧?がすごくて理解が追いつかない、それ以上に美しい作品が多かった。地球が地軸に沿ってぐるぐる回るとか、金魚鉢とか。snake game の白黒スイッチを「斑鳩?」と思ったらまさかの元ネタがそれで驚いた、のとライブストリーミングのチャット欄で斑鳩を指摘してた人が複数人いて意外に知ってる人がいるのにも驚いた。面白い作品ばかりで、これはもはやアートだなと唸らされた。