@kyanny's blog

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2025 J3 第18節 ⚽️ザスパ群馬🆚ツエーゲン金沢 #zweigen

1-0 で勝利。後半アディショナルタイムに勝ち越し、久しぶりに勝った。

金沢は毎試合少しずつスタメンを変えてくる。今日は先の天皇杯予選で FC 東京相手にプロ初ゴールを決めた大卒ルーキーの MF 村田がスタメン入りした。

群馬は昨シーズン降格して今シーズンもそこまでの成績を残せていない。昇格してきてすぐ首位争いをしている栃木シティと対照的な、勢いが無くて苦しい状況のチームなのかと思っていたが、サッカーのクオリティはかなり高かった。球際に強いし、ダイレクトプレーの精度も高いし、守備のプレスも前にかなりの人数をかけてきたり複数人で素早く囲んだりと、かなりの圧があった。行くときと待つときのメリハリがあり、選手が連動して動くので、チームとしての練度の高さと個々人のスキルの高さを感じた。

一方の金沢も、監督交代後初めて、やりたいサッカーの片鱗が見えた試合だった。前半15分くらいまでの、縦に速く長いパスを入れて速攻していく形は、伊藤彰前監督のときはあまり見られなかった。MF 熊谷がいるときは比較的よく見られたが、基本的には両サイドからのクロスが主な攻め方だったので、これはスタイルを変えてきたな、というのがわかりやすかった。選手のプレーも、新しい戦術に徐々に適応してきている様子が見られて、良い時間帯は迷いなく前進していけた。

しかし、前半15分以降は縦パスが鳴りをひそめてしまった。相手に対応されてコースが塞がれたのか、ボールは持てるがプレッシャーに押されて後ろへ後ろへ下げて GK がゴールライン間際からロングキックで逃げる、というシーンがちらほら見られ、チームの総合力にはっきりとした差があることを感じた。

それでも粘り強くプレーしてしのぎ切った金沢。GK 山ノ井は今日もファインセーブを見せた。スローインも改善が見られて、前半の早い時間は速いリスタートからテンポ良く攻撃に繋げていくプレーが何度かあり、マイボールのスローインをちゃんと有利に使っていこうという意図が感じられた。番記者の練習レポートに、辻田監督がスローインの指導をしていたと書かれていたが、一定の効果は出ているようだ。

決勝弾は MF 嶋田のシュートが走り込んできた熊谷に当たって跳ね返ったこぼれ球を同じく走り込んできた FW 大谷が難しい体勢から蹴ったシュートで、相手 GK が弾いたものの後ろにそれ、そのままサイドネットに吸い込まれた。詰めてきた相手 DF のオウンゴールかと思ったが、スローで見ると当たっていないように見えた。執念で呼び込んだゴールと言っていいと思うが、大谷はそれより数分前にやはり嶋田からの右サイドの広いスペースへのスルーパスをフリーで受けた絶好のチャンスを活かせなかったほうが気になった。相手 DF も一人戻ってきていたが、大谷のスピードなら直進するか中にカットイン気味に進めば相手 DF に追いつかれず(少なくとも追い越されてコースを塞がれることなく)相手 GK と一対一の勝負に持ち込めたと思うが、空いている右サイドに進んで切り返しのクロスを選択、戻っていた相手 DF にクリアされてしまう、という残念なプレーがあった。フォワードなのだから常に「自分がシュートで点を取る」という選択肢を第一に考えて欲しい。ここは FW 大澤の積極性を見習って欲しいところ。

群馬は良いサッカーをしていたと思うが、それでも勝てない、というのは前監督のころの金沢を見ているようだ。今シーズンはホームでの勝利からかなり遠ざかっているようで、その状況も似ている。今日は前橋市民を無料招待して観客動員をかけた試合で6,000人を超す来場者があったそうだが、そうではないホーム戦のときは3,000人台だというから、やはり勝つことで客を呼ぶ、というのはあるのだろうなとは思う。

今日良かったのは村田。なかなかのハードワーカーぶりが見られた。いまいちだったのは西谷優希。前半は普段の勢い・しつこさがなかった。後半は多少復調した感はあったが、中盤のダイナモ感は薄かった。村田・熊谷が出ていたので、役割を少し変えていただけかもしれないが。