残念残念とギター侍がリバイバルしたかのように盛り上がっているさなかに読んだ。
話題性という点からみると、あと二週間早く読み終わって感想を書いておかなければ意味がなかったな、と残念に思う(アフィリエイト的な意味で)。もう残念ブームも下火だろうし。
内容で残念だなーと思ったのは、深浦さんという棋士が「喧嘩だったら羽生に勝てると思う」という旨の発言をした話が紹介されていて、「人として全てにおいて負けているわけではない、という気概を持つことが大事だ」とかそんな褒める論調の解説がついていたんだけど、それただの DQN じゃん、ダメじゃん棋士なら将棋で勝たなきゃ、棋士好きすぎると痛い発言も曇って見えてしまうのかなあと残念に思った。
さてこの短くてクソみたいな感想文の中に「残念」は何回出てくるでしょうか?正解者には・・・残念ながら何もあげません!
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2009/04/24
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「残念」で遊ぶのは以上として、インタビューでの「ハイブロウ」について少し。
現在の将棋界、特に梅田さんが交際しているトッププロたちは、紛れもなくハイブロウな人たちなんだろう。そういう人たちと親しくしていれば、ネットイナゴの群れが残念に見えるのも当然だろうと思う。けど、ネットが大多数の「頭の良くない人たち」に発言の機会を与えた結果、残念になってしまったように、将棋界もいずれは「(棋力は高いけど人間性が備わってないという意味で)頭の良くない人たち」がどんどん参入してきて、梅田さんにとっては「残念」な世界になっていくのではないかな、と思った。
「シリコン〜」の本文中にも、若手棋士が厳しい修行を経て人間性も鍛えられているような描写があるが、そういう古き良きやり方を一切すっとばして、ネット将棋でひたすら実力だけを磨いた、将棋はめちゃくちゃ強いけど 2ch でライバル棋士の悪口書いちゃうようなプロとかが現れないとも限らない。20年後くらいに、いまの羽生世代がぼちぼち引退し始めたり、主流ではなくなってきて、仮にそういう「新人類」的な棋士が増えてきたとき、梅田さんはちゃんと「今の将棋界は残念だ、羽生さんの頃はハイブロウな人たちばかりで良かった」と言ってくれるのか、そんなことが気になった。