@kyanny's blog

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Zoom の好きになれないところ

待機室。ホストがいちいち入室許可する、という手間の無駄さに、何度となく落胆させられた。

Zoom Bombing 対策で追加された機能なので、セキュリティ担保のためにオフにできない場合もある。セキュリティ対策は重要だが、人間に負担をかける解決方法がいけてないと思う。

先に入室しておき時間になったらホストを待たずに会議を始める、ということができない。ミーティング URL の発行者と実際のミーティングの主催者が異なったりするとミーティングを開始するまでに無駄なやりとりと待ち時間が発生する。

対する Google Meet は、 G Suite を使っていれば同一ドメインのメールアドレスを持つユーザーのみ参加可能にできる。というかデフォルトでそうなっているので、ユーザーは何もしなくて良い。本当のゲストを参加させたいときだけ招待する作業をすれば良い。こういう風になっているのが当然だと思う。

さらに、 Google カレンダーとの連携も見事だ。カレンダーに予定を入れるとワンクリックで Meet の URL が発行され、予定にリンクが付与される。ミーティング参加者は時間になったらカレンダーの予定に紐づいている URL を開いて入室するだけ。カレンダーに従って行動すれば良い。シンプルで理にかなった導線だ。 (昔はワンクリックすら不要で、予定を作ったら自動的に Meet の URL が発行されていた気がする。ゼロクリックのほうが明らかに良いのに、わざわざ不便なほうに変えたのだろうか?)

一方 Zoom では、新規発行した URL を Slack や Teams のような別のツールで共有する手間がしばしば発生する。 URL があらかじめわかっていれば先に入って待機しておけたものを、直前に発行・共有されるまでわからないので、ミーティング開始時刻の少し前からチャットに張り付いていないといけない。ちょっと気を逸らして作業していたりすると URL 共有を知らせるメッセージを見逃してミーティングに遅れてしまったりする。

さらに待機室のせいで、遅れて入室するときホストが入室リクエストに気づかないと、ずっと入室できない。仕方ないのでチャットのほうでメンションして気づいてもらうまで待つ、など、無駄が無駄を呼ぶ。

Zoom もミーティングをスケジュールして先に URL を発行することはできるし、 Chrome 拡張を使えば Google カレンダーの予定作成時に Zoom URL を発行して紐づけておくこともできる。しかし、 Google カレンダーの標準機能でできる Meet と比べると、スマートさに欠け、面倒だ。面倒くさいことは普及しないし、続かない。

ツールの問題ではなく使い方の問題、だけとも言い切れないと思う。ツールを使いこなせば可能、というのと、使いこなさなくても最初から可能になっている、の間には大きな隔たりがある。創意工夫をこらしてツールを使いこなしたいと思っている人ばかりではない。