@kyanny's blog

My thoughts, my life. Views/opinions are my own.

考える人のメモの技術――手を動かして答えを出す「万能の問題解決術」

チャらくなさそうなメモの本ということで、世の「メモの達人」たちはどういうやり方でメモをとっているのだろう?どんな工夫をしているのだろう?ということを知りたくて、それによって自分のメモ技術を磨きたくて読んでみた。結果は、けっこう期待外れだった。

メモにはインプットメモとアウトプットメモの二種類あり、普通メモというとき連想するのは情報を書き留めるインプットメモだが、考えるために書き考えをまとめるアウトプットメモと両輪で書くのが大事なんですよ、と、アウトプットメモというのがこの本のユニークな点なのだと思うが、「書きながら考えること」に関してはおれは二十年くらいのキャリアがあるので、この本から新たに学ぶことはなかった。

自分の思考を整理したり、思いのたけをぶちまけたりしながら、人生を綴り人生を切り拓く手段としてブログよりよいものを僕は知りません。 ブログ再開しました - スタディサプリ Product Team Blog
書くことで考えていることを言語化し、言語化した自分の考えを読みながらさらに考えを深める ── この活動を繰り返すことで、起こりうる問題に備えたり、問題を多角的に見つめて活路を見出してきました。 「いつかGitHubで働きたい」10年来の空想を現実にしたソフトウェアエンジニアの紆余曲折な人生 - Findy Engineer Lab - ファインディエンジニアラボ

それでもいくつか「メモ」するに値する部分

  • 自分なりの「メモの基準」を持つ
    • その基準をアップデートしていくこと自体が情報への感度を良くしていく
  • 事実に「気づき」を加えてメモすると自分ごとになる
  • 視座 = 見る位置・どこから見るか(横から見るか上から見るか)、視野 = 見る範囲
  • (いまの|これからの)時代は「問題解決」よりも「問題発見」できる人のほうが重要になる
    • ミスターヒップホップが言ってた "Be a problem solver, not a problem finder" と真逆だ
    • たぶんミスターヒップホップの↑のほうが古い(昔の)価値観ではある気がする
  • 書けないことは考えられない
    • 言葉で書けないことは考えていないのと同じ
    • そもそも考えるとは、モヤモヤと頭に浮かんだことを言語化しながら深める行為である
    • これは言い過ぎというか、逆では?考えられないことは書けないが(思考は言語化に先立って起こり、その逆はないので)、考えていても書けないことはある
    • 「考えるとはどういうことか」の定義の違いの問題のような気もする
  • メモしながら考える最大の理由は、人は同時にそれほどたくさんのことを頭の中で覚えていられないから
    • ここは完全に同意、仕事してるときなど特に、常に頭の中に浮かんでくる思考・言葉を書き留めていかないと、認識したそばから新しい思考に押し流されて消えてしまう
  • 木下さんはいろいろな座るシーンを観察した結果、「座ること自体が健康阻害の原因
    • 健康に良い椅子を作ろうというプロジェクトを企画した人のメモのエピソードの一部。椅子作るっていってるのに座る時点でダメっていう元も子もなさが面白かった