@kyanny's blog

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そのエピソードは『癌医療編』で、庄司医師の台詞だったかな?

そういえば、「ブラックジャックによろしく」の初期の方の話で、臨床医療でお前が一生かけて救える人数よりもはるかに多くの人数を、私は研究室の中での研究の成果(新薬、新しい治療法、etc.)で救っている、という風なことを大学病院の教授先生が言って、臨床医の主人公は黙り込むというシークエンスがあったと思う。それと同じことを僕は感じたんだと思う。

http://piro.sakura.ne.jp/latest/blosxom/topics/2008-03-01_sage.htm

そういうシーンもあったかな。

でも、このエピソードは、最新の抗がん剤治療に固執して患者へ経済的・肉体的・精神的に多大な負担をかけた挙句、効果が出ず絶望させてしまった庄司医師が、宇佐美医師の「無理やり存命させることが医療ではない、安らかに生をまっとうできる手伝いをすることが臨床医の仕事だ」という信念に打たれて和解するんですよ。患者は結局亡くなってしまうけど、最後には辛い治療をやめて苦しみから開放され、満足して死んでいく。つまり臨床医の存在はすごく大切だってことです。

3DCG のレンダラは素晴らしくて TBE は素晴らしくない、という議論はなんかおかしいと思います。上野さんという方がもし「僕のやっていることなんて、フォン・ノイマンやアラン・チューリングの手のひらの上で踊っているようなもので、全然たいしたことありません」とおっしゃったら、誰もが「そのりくつはおかしい」と感じるはずです。それと同じような感じがしました。

ところで、ブラックジャックによろしくは後半にいけばいくほど駄作になっていっていると思います。もし、癌医療編の途中からとか、精神科編から読み始めた方がいたら、ぜひもっと古いエピソードも読んでみてください。漫画喫茶には大抵置いてあると思います。「○○編」とついている奴はあんまり良くないなと思います。話が長くなりすぎて途中で飽きてしまう。小児科編とか、心臓外科医の話とか、短めのエピソードのほうがいいです。