@kyanny's blog

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「ソフトウェア開発者採用ガイド」を読んだ

ソフトウェア開発者採用ガイドを読んだ - higepon blog で紹介されていた ソフトウェア開発者採用ガイド を読みました。 Joel on Software の Joel さんの著作です。

「最高の開発者だけを雇え、それ以外は雇うな」って主張は、現実にもし自分が小さな会社で採用を担当するとしたら難しいことだと思うし、第一自分がその「最高の開発者」にはなれそうもないから読んでいて悲しくなってしまうので、もうちょっとハードルを下げても ok というくらいのつもりで読みました。身につまされながら読むのも大切だけど、せっかくのジョークで笑えないのももったいないので。

もし自分が面接官なら、と仮定しながら読んで、「こうすれば良いはずだ」と思っていたものがダメだしされていたりして、なるほどと気づかされることが多くありました。頭が良いかどうかを質問で判断する、というあたりは自分なら結構やれそうだ、と思いました。技術的に高度な話になると難しいけど(知らないことわからないことについては話せないから)、普段から相手がどれくらい理解しながら話しているかに注意深くしているつもりなので、そういう会話はスムーズにこなせそうだと思ったし、「まずくない質問の例」をみていてもやりとりをイメージするのが簡単でした。

「最高の開発者には最高の環境を」っていうくだりにはやはり納得。最高じゃなくてもそれなりの環境を与えることは大切だろうなと思いました。ちょうど今、これは好き好んで選んだのですが、すごく遅いマシンで仕事をしていてメールの受信とか何もかもが結構ストレスになっていて、もしこれが選べる最高の環境だとしたら相当幻滅してしまうだろうなあ、と逆説的に思ったもので。ちなみに同僚はみんな会社から支給される iMac を使っています (みんなもらえる。僕だけわざわざ自分のマシンを使い続けているだけ。誤解のないように)

それから、マネジメントとか、チームをどう良くするか、という話が一章おまけっぽくついていて、そこもおもしろかったのですが「モチベーションの話なら何はともあれまずピープルウェアを読むべきだ」という一言につられて読み終わったらすぐにピープルウェアを買って読み始めたのですが早速引き込まれてしまい、この本にかいてあったことをもう忘れてしまいました。

10 秒思い返して少し思いだしました。軍隊みたいな管理法と、金品で釣る管理法はダメで、一体感をもたせると良いという話。これはとても納得がいくなぁと思いました。一体感とは言葉をかえれば帰属意識です。それがあると何故良いかというと、人は内なる要因にかられて「良い仕事をしたい、人の役に立ちたい」と思って仕事をすると良く働きいい成果を出せるが、外的要因によって「ノルマを達成しないと殴られてクビになる」とか「あいつらより多く行数を書けばボーナスがもらえる」とかによって仕事をするとひどいことになる、という話でした。その通りだなあと思いました。僕ならば「この人のためなら人肌脱ごう」と思えるような人と仕事をしたい、それは信頼関係があるからだよな、と思いました。

値段も安めで、サイズも小さく、技術書よりは薄く、文字も大きくて読みやすい字体で楽しいイラストも入っていて何より文章がユーモアにあふれていてクスクス笑えて、すらすらと五時間くらいで読めます(ライトノベル一冊に三時間かかる僕のペースで)。これは買って損のない本だったと思います。

ソフトウェア開発者採用ガイド

ソフトウェア開発者採用ガイド

Joel on Software

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