@kyanny's blog

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知見は Evernote ではなくブログに書いた方がよい

より正確に言うと、知見はプライベートな領域ではなくパブリックな領域に書いた方がよい。プライベート領域は Evernote に限らないし、パブリック領域もブログに限らない。

パブリックな領域に書く場合、プライベートな領域に書くのに比べて第三者の目を意識するぶん文章を推敲する機会が増える。

単に読み直すだけでも頭の整理に効果的だが、さらに正確を期すため調査や検証をすることもあるだろう。プログラミングのことであれば検証コードを書くとか、ツールのことであればドキュメントやソースコードを読むとか。そうすることにより、周辺領域も含めて理解が深まる。

また、公開に耐える内容にするために一般化する必要もあり、その過程で問題の本質をより正確に把握できる。

つまり、パブリックな領域に書く方が自分自身の勉強になる。

もう一つ、パブリックな領域で公開することで、他人が書いたより良い情報と競わせられる、というのがある。

過去に自分がメモしたことを探すとき、「前にメモしたあれなんだっけ」と探すための糸口を覚えていることもあれば、メモしたことすら忘れてしまって Google で検索したら自分のメモがヒットする、ということもある。

後者の場合、望む情報が得られれば自分のメモがヒットしなくてもよい。パブリックな領域にあるコンテンツならば検索エンジンが「より良い情報」を判断してくれるので、過去の自分が知っていたのより良い解決策に出会えるチャンスがある。

プライベート領域のコンテンツは原則その中にあるものしか探せないので、新しい知見と出会う可能性はない。

ただし、Evernote が Context で「外」の情報との関連付けをし始めているように、プライベートからパブリックへの一方通行の通り道が今後整備されて、情報がどこにあるかはどうでもよくなるのかもしれない。