- 作者: 蛯原健
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2019/08/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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同僚が紹介していたので買ってみた。
序章と、表題である「テクノロジー思考」そのものについて書いてあるらしい最終章を先に読んだ。一応自分もテクノロジーの欠片を使って飯を食う側の人間ではあるので、「おれは読まなくてもいい本かな・・」という感想。肝心の「テクノロジー思考」は掴みどころがなく、その点で「デザイン思考」に通じるものがある。内容とは関係ないが、文章が大げさというか、やけに肩肘張ってる感じで読みづらい。なんでわざわざ偉そうに見える「である調」を選んだんだろう。
ほぼ巻末のこの一文は印象的だった。
「ブロックチェーンが次に来るだろうからそれに賭けてみよう」ではない。「ブロックチェーンを次世代の標準プロトコルにすべく自らの手で創り上げよう」である。パソコンのキーを叩くのではなく体の一部として機能するコンピュータがあるべきであり、人は電気で走るかっこいい自動車に乗るべきであり、人類はもっと宇宙に行くべきであり、そうなるに決まっている――であれば、自らそれを創らない理由などない。
アラン・ケイの名言を引用したあとで同じような話を書いているので、論じていること自体に目新しさは感じないが、自分も無意識に「次に来る技術は何か」のような考え方ばかりするようになっていたことに気付かされた。「この技術に惚れ込んだから、これが世の中に広く普及して自社で採用するメリットが増すように自らコミットしよう」というスタンスでありたいものだ。仕事で使うものを選ぶときは、そう綺麗事ばかりも言っていられないけど。