@kyanny's blog

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母にiPadを買った

母はMacBook Proを五年くらい使っていて、電源ケーブルがよじれて導線が露出しつつあり、充電中に火事にでもなったら大変なので替わりにiPadを使わせることにした。

 

母のスペック

  • 65歳
  • ガラケー
  • Mac歴五年
  • インターネットはYahoo(ニュース、メール)、mixi、YouTube程度
  • Yahooで検索はできる
  • キーボード使える
  • ウィンドウ、タブ、アプリなど、デスクトップパソコン一般の概念への理解は浅い

 

Apple IDの作成に苦戦した。パスワードの文字種やパターンの制約が厳しく、なかなか作成させてもらえなかった。Yahooのメアドと同じものにしたが、Yahooと何が違うのか理解が難しいようだった。

スマホを使っていないのでスワイプ操作に慣れておらず、指で勢いよく弾きすぎてうまくいかないようだったので、指を画面につけたままゆっくり動かすようにやってみせた。ピンイチン、ピンチアウトも同様。

キーボード入力する際、入力欄にカーソルを合わせる操作をマウス(トラックパッド)のかわりに直接画面をタッチして行うということも、飲み込むのに少し時間がかかりそうだった。理解不能という感じではなく、違いに戸惑っているだけで、時間の問題という感じはした。

Safariの文字サイズが小さすぎたのが盲点だった。Retinaは高精細とかそういう問題ではなくて、老眼なので見た目小さいと読めない。「設定」からiPad自体の文字サイズを大きくしてもだめで、Safariの「表示」(アドレスバー左のAa)から拡大する方法を教えたが、なんかイマイチだった。どんなサイトでも常に文字サイズを簡単に大きくできないとシニア層には使えないと思う。

YouTubeのアプリをインストールしようとしてもうまくいかず、新規作成したApple IDの確認メールを送るステップを見逃してることに気づくまでハマった。アプリのほうがブラウザでみるより便利なはずだと思ったが、再生、停止、シークなどの操作をするためのメニュー表示にするために一度タップしなくてはいけないことに慣れず、メニューボタン等が最初から動画の下側に表示されているブラウザ版のほうが、MacBookのSafariで観ていたときと使い勝手が似ていてとっつきやすそうだった。

カバーを兼ねてSmart Keyboardも購入し、ソフトウェアキーボードと両方の使い方を教えたが、これもMacBookに似てるぶんハードウェアキーボードのほうがスムーズに使えていた。パソコン未体験だったらどちらのほうがとっつきやすかったんだろう。

Touch IDとホームボタンを押す操作と押し続ける操作などの使い分けにもすぐには慣れなかった。ボタンを押すことはキーボード叩いたりガラケー使ったりするので似たような操作に慣れてるかと思ったけど勝手が違うようだ。おそらくFace IDならなんの戸惑いもなかった部分だろう。

最後に他県で暮らす妹一家とFaceTimeするところまでやって、プライベートジーニアスによる個人レッスン終了。久しぶりの実家の晩飯を食って帰路についた。

 

総じて、iPadとiPadOSは、まだまだ初見殺しの部分があり、シニア層が買ってきてすぐ使えるレベルとはいえない。あと文字とかアイコンとか全体的に小さすぎ。デフォルトで全部倍の大きさになるモードがあるとよい。とはいえ他と比べたらだいぶマシだとは思う。だいたい2時間から3時間くらい、初期設定から基本操作のレクチャーとレッスンをして、ボンヤリと把握したくらいだろうか。少なくとも「私には難しくてムリ!」という拒絶反応を抱かせない程度には馴染ませられたかなと思う。あとは日々使いさえすれば、じきに慣れるだろう。気に入ってくれるといいのだが。