@kyanny's blog

キャンベルスープはいつも飲んでいたからね。毎日二十年間、同じランチを食べたものさ - アンディ・ウォーホル

How = Method + Procedure

誰かに指示または依頼された仕事に対するよくある不満の一つに「手段(How)を決めつけるな、やりたいこと(What)を教えてくれ」というのがある。これは半分だけ正しい。

手段を方法(Method)と手順(Procedure)に分解して考えると少しわかりやすい。

抽象度の低い仕事の場合、 What を明らかにする段階で Method についてはある程度の見立て・仮説が伴うのは自然なので、「こういうことを、このような方法を使って実現したい(して欲しい)」という依頼内容はおかしくない。これに対して「How を決めつけるな」と反発するのは、仕事の受け手として良い態度とはいえない。

一方、 Procedure については、 Method が同じであっても個人差があるものだし、そのくらいのゆらぎ(自由度)は認められるべきだ。なので、「こういうことを、このような方法を使って、以下の手順に従って実現したい(して欲しい)」という依頼内容は、ある程度の創造性を伴う(ことが期待される)仕事にはふさわしくない。手順まで規定するのであれば、それは単なる作業だ。

仕事を依頼する側も依頼される側も、この違いを意識できていないことが多く、無用な誤解の元になる。

依頼する側は、 Procedure まで決めつけていないか自問すると良い。労力をかけて不要なことまで決めた挙句、受け手の不満の原因にもなるのではたまらない。

依頼される側は、 Method が定められていても目くじらを立てすぎないのが良い。何の方針も与えられず「最善の方法を自由に考えろ」といわれても、むしろ困ることが多い、ということにも留意すべきだ(ひとはそれを「丸投げ」と呼ぶ)。ある程度の制約があったほうが創造的になれる、ということもある。 Method は仕事の背景(に対する依頼者の認識)とも大いに関連があるものなので、「なぜこの Method なのか?」を受け手が自分で考えることは What の深い理解の助けにもなる。悪いことばかりではないのだ。