@kyanny's blog

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News Diet

前から気になっていたけど、読まなくてもだいたい内容は予想できるなあと思って逡巡していたところ、オーディオブックが半額だったので買った。

ただひたすらニュースは良くないニュースを見るのをやめろと言い続ける、けっこうアレな本。そもそも新聞を数紙も購読していたりとちょっと異常なニュース中毒だった著者が「目覚め」て反ニュースエヴァンジェリスト化した、という特殊な背景がある。

妥当なことも言っていて、過去 10 年で印象に残っているニュースがいくつあって、そのうち人生の大きな出来事の意思決定に影響を与えたニュースはいくつあった?(たぶんほとんどの人がゼロだろう)、とかは、なるほど確かにニュースは私の人生に何の影響も与えておらず、したがってなくても問題なさそうですね、という論理は成り立つ。

ニュースを断つことへの不安への処方箋もいくつか紹介されていて、たとえば週刊誌(Newsweek とか文春とか?)を買って一ヶ月読まずに置いておき、翌月に読む、という方法があった。本当に大事なニュースは一過性ではないので多少時間が経っても継続報道されているはずで、したがって先月の雑誌の記事の話題は今月も健在なので最新のニュースを見なくても問題ない、という論法。本当に一ヶ月遅れで読めということではなくて、そういう思考実験(その気になれば本当に実践もできる)を通じてニュース断ちへの不安を払拭する試み。

世界の問題のニュースを見てもあなた個人が解決できるわけではない、自分が影響を及ぼせない事柄について知ったところで無力に感じたり、逆になんでも知ってる気になる(ニュースは複雑な問題の断片しか報道しないにも関わらず)ので良くない、というのも、まあ確かに、という説得力はある。ただ、悲しいニュースをみて同情コメントしたりするのは世界に関心を持つとはいわない、関心を持つとは行動を伴うことであり難民問題に心を痛めて何かしたいと思うなら金を送れ、というのは少々突飛な主張だと思った。そのとおりなんだけど、もうちょっと言い方ないの、という。

他にもいろいろとあったが、結局「ニュースは百害あって一理なし」の一言に集約されるので、予想通り本文は読まなくていい本だった。

News Diet

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