@kyanny's blog

My thoughts, my life. Views/opinions are my own.

Tokyo Investigative Newsroom Tansa のマンスリーサポーターになった

数ヶ月前にたまたま SNS で記事を見かけて(誰が私を拡散したのかというシリーズの記事で、匿名のホワイトハッカーが調査に協力したというツイートが知ったきっかけ)、なかなか骨太だなと思ってメールマガジンに登録し、たまに読んでいた。NPO の例に漏れず寄付を募っていて、毎月の寄付者を増やすキャンペーンをやってたので、少額ながら寄付することにした。

Tansa でいいと思うのは、

Tansaは報道機関としての独立性を保つため、スポンサーからの広告料や、読者からの購読料を一切受け取っていません。

というところと、にもかかわらず全ての記事を無料で公開しているところ。購読料とマンスリーサポートの違いとは?とか考え始めると少しよくわからなくなるが、多少なりともまとも(まともそう)なメディアはどこもかしこもペイウォールまみれ、無料の情報は嘘と屑ばかりという世の中で、しっかり書かれた記事を無料公開してるのは素直に偉いと思う。

しっかり、というのも二つあって、綿密な取材で事実を積み上げるという点については、そうなんだろうと信じるほかないが、もう一つ、信念の強さを感じる点にむしろ惹かれている。たとえば保身の代償 ~長崎高2いじめ自殺と大人たち~というシリーズ、人ひとり亡くなってるのでもちろんおおごとなのだけど、でも世間的に目を引くニュースとは言えないと思う。いじめを苦に自殺、というのは残念ながら珍しくない。保身による隠蔽なんてのも、きっとよくある話だろう。しかし話題性とは別のところで記者はこれを徹底的に調べて報じるべきだと思い、実行に移した。シリーズ「誰が私を拡散したのか」もしかり。

正直なところ、彼らが取材しているテーマすべてに関心があるわけではないし、すべての記事を読んでるわけでもない。そもそも読むのはタダだ。だから、読むために寄付してるわけではない。将来読み続けられるように、というのですらない。強い意志を持って何かを成し遂げたいという人たちがいて、その具体的な成し遂げられようとしている何かそのものよりも、なぜ成し遂げなければならないのかという問題意識に共感した。彼らが報じるべきと信じる内容なら、たとえおれ自身は関心を持てなくても報じられるべきなんだろう、それによって世の中が少しでも良くなったり救われる人がいるかもしれない、ならばそうあるべき形に近付くために手を貸そう。そういう感覚。