@kyanny's blog

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今日はフィリピンの大統領選挙の日で、長期独裁政権下の圧政で悪名高いフェルディナンド・マルコスの息子が当選確実のようだ。ビズメイツのトレーナーも「下馬評では元大統領の息子が最有力候補者だ」と言っていた。

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なんでそんな人物が大統領になれるのかというと、SNS を巧みに利用して独裁時代を知らない若い世代にアピールしたのが功を奏したようだ。件のトレーナーもそんなことを言っていた。フィリピンは日本と違い高齢化社会ではないので、有権者のうち若い世代が多数派を占めるのも拍車をかけているのだろう。

少し前に「シリコンバレーを超えて」という本を買って読んでいる。テクノロジーとそれを司るごく一部の大企業が、我々市民の知らないところで我々の思想や行動をコントロールしている、それでいいのか、と警鐘を鳴らす感じの本で、説教のは置いておくとしても、正直読んでいてあまりピンと来ていない。梅田望夫的ウェブ思想に感化された世代の一員としては、インターネットは可能性を広げる善のプラットフォームであり、Google は Don't be evil なのだから個人情報など好きに使って世界を良くしてくれ、というのがデフォルトで、警戒も懸念もないのだ。

だが、このフィリピン大統領選のニュースを読んで、これが「シリコンバレーを超えて」の第二部の内容そのまま現実にリアルタイムに起こっていることなんだな、と腑に落ちた。腑に落ちたからといって Facebook 死すべしと短絡的に態度を一変させたりはしないけど、たしかに議論すべきことではある。そして、これが他国の出来事だから目に留まっただけで、日本でもすでにこういうことは起こっていて、気づいてないだけなのだろうか?とも、ふと思った。この方向性は陰謀論まっしぐらなので深入りしないが。

www.newtonpress.co.jp

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「シリコンバレーを超えて」は今時珍しく電子書籍がない。本屋で見かけて、電子書籍がないことと、タイトルやら装丁やらになんとなくひかれて買った。シリコンバレーという文字列の持つ魔力というか。もちろん梅田望夫のことも頭にあった。なんか似たような名前の連載とか本とか書いてなかったっけ、と思ってググったらヒットしたのが「シリコンバレーから将棋を観る」で、それじゃねえよと思った。おれが思ってたのは My Life Between Silicon Valley and Japan の方だよ。