従兄弟に「ぜひ読んでみて」とまで言われたので、そこまでいうならと読んでみた。本屋やオンラインストアで何度か見かけて気にはなっていたし。
ものすごく理屈っぽい効率厨の人が書いた本、という印象。同意できる部分もあったし学びもあったが、根本的な部分で相容れないなと感じた。
著者の思想の根底には、「人生は最大限有意義に過ごすべきである」という信念がある。有意義で幸福な人生のほうが良いという点には同意する。しかし「最大限」がひっかかる。
最大限の有意義さを追求することは、有意義さを損なうことを良しとしない窮屈さを生む。使いきれない財産を抱え込むのも、使いきれない金を稼ぐための労働も無駄で不必要なのは確かだが、それが単なる無駄にとどまらず、積極的に非難・排除されるべき過失であると言われているようで、読んでいて気分が悪かった。
おれはむしろ「人生はほどほどで良いし無駄や無意味なことがあっても良い」みたいな思想に共感するので、著者が主張を力説すればするほど白けてしまった。
この本を薦めてきた従兄弟は小さい頃から「俺様一番」というタイプで、自分が生きたいように生きるを体現し続けている。読む前から、確かにあいつが好きそうな内容なのだろうなとは思った。
この本を読んで知れたことが二つあった。一つは「長寿保険」という保険商品で、長生きしすぎて老後資金が枯渇する不安に対処できる*1。もう一つは、飛行機の国内線のファーストクラスは思っていたよりも安いということ。国際線では百万円を優に超えるのでそういう相場だと思っていたが、国内線だと四万円弱のエコノミークラスに対して一万円台の追加料金しかかからないようだ*2。