@kyanny's blog

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偽の記憶

エリン・メイヤーの「異文化理解力」がどこへいったかわからなくなって久しいが、文庫版が出ていたはずだからそれを買おうと思って調べたら文庫など出ていなかった。高野秀行の「イラク水滸伝」も同様だった。

この偽の記憶はいつできたのだろう。たかが文庫化の勘違いくらいなら害はないが、もっと大事な出来事について思い違いをし始めたら厄介なことになる。

昔からちょっとした空想癖があった。小さい頃はファンタジーな世界のこと、若い頃は近い未来に起こるかもしれないことなんかを考えるのが常だったが、この歳になると過去のことを回想することのほうが増えた。

過去の回想が妄想になり、妄想が作り出した偽の記憶が本物の記憶を塗り替えたらどうなってしまうのだろう。けっこう恐ろしいことだと思う。認知症になり始めた人は、そういう恐怖とリアルに向き合っているのかと、ふと気づいた。