@kyanny's blog

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応援したそばからダメだしするよ

その表を見ただけでわかる。Masaoさん、そのプランじゃあ間違いなく失敗しますよ。俺はそういうことが書いてある本を読みたいとは思わない。

http://a-pure-heart.cocolog-nifty.com/2_0/2005/12/post_11ce.html

対象とする読者が求めているものを正しく見つめるべきだ。俺が自分で服を買わなきゃならなくなったとき、一番腐心したことは、どういう服装なら、馬鹿にされないのか?、だった。

色だのサイズだのなんていう、センスがモノをいう部分についてはとっくに諦めているんだ。「鏡を買いましょう=見る癖をつけて自分の眼とセンスを磨け」なんてお題目はうんざりなんだ*1。そんなことはとてもできやしないと思ってるからこそ、「無難なものを」欲しているんだ。「万人に似合う格好」ではなくて、「万人に馬鹿にされない格好」を知りたいんだ。

必要なのは仕様書ではなく、チュートリアルだ。もっている服の中で、何が着てはいけないもので、何がまだ使えるものなのか判断できること。そして、買うべきものがリストアップされていて、手持ちの服で代用できないアイテムを、優先順位に従って穴埋め式に買い足していけること。どの上着とどのパンツの組み合わせならOKなのか、逆にNGなのかの場合わけができること。さらにそこに靴を加えて、組み合わせのバリエーションを増やせること。上記のようなベーシックなルールが定めてあり、具体的な店名、ブランド名、商品の種類によってどのルールが適用できるかがわかりやすく明記してあること。書いてある通りにするだけでいい、それ以外のことは考えなくてもいい、そういうものを俺は読んでみたい。

一つ例を挙げよう。誰しも物理の授業でニュートンの運動方程式を習ったと思う。ma=F、力は質量かける加速度、というあれだ。物理学を楽しいと感じる人にとっては、この方程式の意味を理解するのはとても興奮させられることかもしれない。しかし、物理学が楽しくない人にとっては、覚えなければ赤点をとってしまうやっかいな存在でしかない。結果、目の前のテストさえ乗り越えられればいいという一心で一夜漬けで例題を暗記し、かろうじてしのぎ、その後一生そんなものには悩まされずに過ごす。

ファッションも同じことだ。まず赤点をとらないこと。そこをクリアして、服に「身体を覆う布切れ」以上の何かを感じた人になら、ファッションの本質や楽しさを教えたらいい。そこへの道しるべを示してやればいい。「このジャケットは●※¥%∀#ですからジーンズでも全然合いますよ^^」なんていうあいまいな意見はいらない。ひとおもいに「リーバイス501以外はNG」とでも言ってくれたほうがいい。自分で考えずにやり過ごせるなら、それが一番なのだから。

少しずれるが

「そういうルールに沿った格好をしたやつが増えたら、『ニューアキバ系』みたいな新たなレッテルを貼られて馬鹿にされるだけだ」という意見もあるだろう。が、それはそれで仕方がない。それに、馬鹿にされる理由が変化していれば当座の問題は解決できたと考える。「不潔そうな格好だからキモイ」と「●●マニュアルどおりの格好だからキモイ」の間には、ずいぶん大きな差がないだろうか?少なくとも、人間扱いされないってことはないのだから。

*1:そもそも俺は「鏡なんて見たくもない」と思ってる