@kyanny's blog

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ロングテール‐「売れない商品」を宝の山に変える新戦略

Kindle Unlimited でクリス・アンダーソンの「FREE」と「MAKERS」を見つけたので、何年か前にハードカバーで挑戦して読みきれなかった「FREE」から読み始めたところ、冒頭で「ロングテール」に触れていて、そういえば読んだことがないので読んでみた。

「FREE」は邦訳が出たときけっこう話題になって、数ヶ月は経っていたものの鮮度がある間に手に取った記憶があるけど、そのときですら「フリーミアムなんてそんなにうまくいかねーよ」と斜に構えた受け取り方をしたものだった。しかし「ロングテール」は原著と最初の邦訳が出版されてから十年も経つのにまだまだ現役で通じそうというか、さほど間違ってない感じがした。

十年前と比べて、電子書籍の普及は大きな変化だと思うので、電子版も含めた本の売れ方にロングテールの傾向が強まっているのか?は気になる。たぶんデジタルデータの流通コストおよび保管コストの低下の恩恵を受けてテールが相当太くなっているんじゃないかと思うが。

一方で Eコマースも大手以外にもずいぶん普及しただろうしハンドメイドみたいな超ニッチ商品の市場も大きくなったけど、この本がいうところのニッチ、「元々テールに存在してたけど誰にも知られなかったもの」がそこそこ売れるようになってるか?というと、微妙な感じはする。個人の興味関心とレコメンドの相乗効果でテールからぽつりぽつりとたまに売れていく、という感じはあんまりしなくて、むしろテールの一部に急にスポットライトが当たって一夜にして一躍大スターになって短期間に猛烈に売れる、みたいな、結局既存の大手メディアとかのプレイヤーの構造の中で動いているだけな気がしなくもない。

インターネットの申し子みたいな本のくせに電子書籍になってなくて、 honto の店舗受け取りサービスを利用して日本橋の丸善で購入した。

ロングテール‐「売れない商品」を宝の山に変える新戦略 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ロングテール‐「売れない商品」を宝の山に変える新戦略 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)