自己認識とは何か、なぜそれが重要か、を説いた本。
- 自己認識は二十一世紀のメタスキルである
- 人生の成功にとって重要な能力は自己認識が基になっている
- 自己認識には二種類ある
- 内的自己認識
- 自分自身を理解する能力
- 外的自己認識
- 周りが自分をどうみているかをしる能力
- 内的自己認識
- 内省は必ずしも自己認識を深めない
- 自分について考える != 自分を知る
- 「何故」ではなく「何」
- 反芻は内省よりさらに悪い
- 外的自己認識を深めるにはフィードバックを受けること
- 適切な人を選ぶ
- 適切な質問をする
- 適切なプロセスを踏む
- チームと組織の自己認識を高める
- リーダーが手本を示す
- 心理的安全性
Kindle 版は注釈が最後の 20% 近くを占めていて、注釈の多さから学術書っぽさを感じた。
丁寧で平易な文体で文章は読みやすいが、やや間延びしていて構成はあまり良くないと感じた。長い地の文の中に重要な概念がポツポツと出てきて、章や節のまとめのようなものが弱いので、後でざっと要点を読み返すのが難しい。例えば「インサイトの七つの柱」って何だっけ?と思ってピックアップしようとしても、六つしか見つけられなかった。
巻末資料として各種のチェックリストがついてくるが、この問いが重要ポイントでもあるので、時間を節約したい人は巻末資料だけ読んで「ハハーン、『どのくらいのフィードバックを得ている?』というチェックリストがあるということは、フィードバックを多く得なさいということを言いたいのだな?」と理解する、みたいなショートカットをするのも良いと思う。
内省は内的自己認識にとって必ずしも良くない、というのは意外だった。日記も毎日たくさん書くのはかえって自己認識に良くないらしい。
内的自己認識と外的自己認識は違う、というのもあまり意識したことがなかった。外的自己認識を深めるにはフィードバックを得るしかない、というのは残酷な事実だなあと思った。フィードバックなんて当然受けたくないので、他に方法は無いと言い切られると逃げ場を失ってしまう。
insight(インサイト)――いまの自分を正しく知り、仕事と人生を劇的に変える自己認識の力
- 作者:ターシャ・ユーリック,中竹竜二
- 発売日: 2019/06/26
- メディア: Kindle版