かの有名な Google のマインドフルネス本。マインドフルネスブームの火付け役はこの本だったという認識で、一つの時代を築いた本なのでともかく一読しておくべきだろうと思っていた（良くない選書の見本）。実際のところは Amazon の Prime Reading に入っててタダで読めたので読んだ。
内容に関しては、マインドフルネスって結局なんだ？という問いへの答えを求めていて、それは部分的には回答された。マインドフルネスとは心が平穏な状態のことであり、いわゆる瞑想（行為）はマインドフルネス瞑想とかトレーニングと呼ばれて区別されている。
次の問い、瞑想と何が違うの？については、実質同じものだがマインドフルネスは瞑想から宗教・信仰に関する要素を人工的に取り除いて作られた活動（によってもたらされる状態）である。本来神秘的な部分と不可分だったはずの活動をある種のエクササイズとして再構築したもの。だから新興宗教のような胡散臭さ（少し）と自己啓発セミナーのような胡散臭さ（たくさん）が入り混じった印象を受けるわけだ。
で、マインドフルネス瞑想によってマインドフルネスな状態になると何がいいの？については、要するにリラックスできることと、マインドフルネスの活動は EQ（心の知能指数）を高めることにつながるので人間関係がうまくいき人生が良くなる、という理屈らしい。だったらなにも瞑想、じゃなかったマインドフルネスにこだわらず、EQ を高めるために何をすればいいか EQ についての本でも読んで学べばいいのでは、と思った。
